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シンリョクカ届ける竹内師へ贈り物

スポニチ
  • 2025年01月04日(土) 05時05分
 【競馬人生劇場・平松さとし】

 1979年1月、千葉県生まれの竹内正洋調教師。幼少時は野球や陸上に興じたが、中学の時に競馬場を訪れると、騎手に憧れるようになった。

 「メインを勝った田中勝春騎手(当時、現調教師)が格好良くて、自分も騎手になろうと、中学卒業時にはJRA競馬学校の騎手課程を受験しました。残念ながら不合格でしたけど…」

 そこで目標を調教師に変更。大学へ行き、牧場で働いた後、06年の春に競馬学校に入学。同年秋に卒業すると、美浦トレセンの国枝栄厩舎奥村武厩舎で経験を積み、調教師試験に合格。15年の春に開業した。

 「開業時に重賞勝ち馬のセイコーライコウが転厩してきました。この馬で何度か重賞に挑みましたが、勝てませんでした」

 チャンスは逃すとなかなか回ってこないもの。開業後8年が過ぎても重賞は未勝利だった。

 そんな時、出合ったのがシンリョクカ。竹内師自身が牧場でひと目ぼれしてオーナーに薦めた馬だった。22年の新馬戦を圧勝した同馬は2戦目の阪神JF(G1)で2着に好走。その後、24年4月の福島牝馬S(G3)では3番人気に支持されたが、他の馬と接触し落馬。骨折して休養を余儀なくされた。

 しかし、物語はそこからだった。復帰戦は9月の新潟記念(G3)。「元気がないかと思うくらい落ち着いていました」と調教師が述懐するこのレースを、なんと快勝してみせたのだ。こうして竹内師にとって初めてとなる重賞制覇を飾ると、続く一戦ではエリザベス女王杯(G1)に挑戦。勝てなかったが見せ場十分の4着に善戦し、実力の一端を示してみせた。

 さて、そのシンリョクカが今週末の中山金杯(G3)に出走を予定している。11日には46歳の誕生日を迎える竹内師に、少し早い誕生日プレゼントが届くのか、それとも国枝師のパラレルヴィジョン奥村武師ホウオウビスケッツがその前に立ちはだかるか、はたまた他の陣営が正月の美酒に酔うのか。中山の芝2000メートルに注目したい。 (フリーライター)

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