伝統の3歳重賞「第59回
シンザン記念」が13日、中京競馬場で行われ、3番人気
リラエンブレムが鋭く伸びて差し切り、新馬勝ちから連勝で重賞初制覇を飾った。鞍上の
浜中俊(36)は16年
ロジクライ以来の勝利で当レース通算5勝目、管理する
武幸四郎師(46)は23年
ライトクオンタムに続く当レース2勝目。年明けの出世レースを制し、春の大舞台へ弾みをつけた。
キャリア1戦とは思えない圧倒的な強さだった。浜中騎乗の
リラエンブレムは直線で内に進路を切り替えると、漆黒の馬体を弾ませながらグイグイ加速。前を走る1番人気
アルテヴェローチェを瞬時に突き放し、重賞初Vのゴールへ飛び込んだ。2馬身半差の快勝。引き揚げてきた浜中は両手で大きく
ガッツポーズをつくり、喜びを爆発させた。16年
ロジクライ以来、当レース5勝目を挙げた鞍上は「強かったのひと言」と第一声。この言葉がパートナーの強さを物語っていた。
スタートは決めたが無理せず中団に控える形。前半3F通過が35秒1と緩めの流れでも折り合いを欠くことなく追走した。「リズムを大切に運んだ。2戦目で気持ちも入っていたが、うまく我慢しながら直線に向くことができました」。最後の直線は馬群が密集。進路取りに苦労する馬を横目に、馬場の真ん中からメンバー最速となる上がり3F35秒1の末脚で差し切った。
「前の人気馬を抜くまでが速かったですね。デビュー前の稽古から脚が速い印象を強く受けたし、精神力も含めて(能力が)高い。距離にも融通は利くと思うし、これからが楽しみ」
23年
ライトクオンタム以来、当レース2勝目を飾った武幸師は「トモ(後肢)が甘いので大事に育ててきた。その段階で重賞を勝つあたりが能力(の高さ)だね」と評価。18年
アーモンドアイなど数々の名馬が生まれた出世レースを無敗の2連勝で制した。師は「新馬戦(10月27日)の後も間隔を空けたが、まだ時間がかかると思う。今後については成長過程を見ながら考えたい」と明言は避けたが、春の大舞台に向けて弾みをつける勝利になった。
4歳世代が大ブレークした父
キズナは昨年、念願の種牡馬リーディングを獲得。その父をほうふつさせる瞬発力を武器に、スター街道を歩んでいく。
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リラエンブレム 父
キズナ 母デルフィニア2(母の父
ガリレオ)22年3月27日生まれ 牡3歳 栗東・武幸厩舎所属 馬主・Gリビエール・レーシング 生産者・北海道安平町のノーザン
ファーム 戦績2戦2勝(重賞初勝利) 総獲得賞金4879万5000円 馬名の意味は「紫(独)+紋章」。
スポニチ