◆第65回
京成杯・G3(1月19日、中山競馬場・芝2000メートル)
今週19日に東西で2重賞が行われる。第65回
京成杯・G3(中山)で、
キングノジョーがデビュー2連勝での重賞初制覇を狙う。G1級6勝の
レモンポップを手がけた
田中博康調教師(39)=美浦=の期待馬が、昨年
ダノンデサイルが制してダービー制覇につなげた登竜門のレースから羽ばたくか注目だ。
田中博厩舎の新エースを襲名すべく、超高額馬が出世レースへ照準を合わせている。
キングノジョーは23年のセレクトセール1歳で、同年では最高額タイの3億1000万円(※)で落札。半兄に23年の
天皇賞・春を制した
ジャスティンパレスを持つ血統馬で、早くから注目を集めていた。順調に成長し、昨年10月に東京の芝2000メートルで単勝1・3倍の圧倒的支持に応えて2馬身半差で初陣V。今回もコンビを組むルメールは「優れた瞬発力を見せてくれて、距離も持ちそう。先がすごく楽しみな馬」と賛辞を惜しまなかった。
昨年はキャリアハイの46勝を挙げ、開業8年目でトップトレーナーへの道を着実に歩んでいる田中博調教師が「運動神経がいいし、心肺機能は管理する同世代の馬でも上の方ですね」と高評価。今年の3歳馬は中山・芝1600メートルの2歳レコードを持つ
デンクマールをはじめ、実力馬ぞろいで、既に9頭が勝ち上がっている。そのなかでも一目置いており、デビュー前に
レモンポップと併せ馬をしたのは期待の表れ。G1級6勝のダートの怪物が引退し、厩舎の看板を背負うにふさわしい素質の持ち主だ。
10日に行った美浦・Wコースでの1週前追い切り(6ハロン81秒4―11秒4)は、3頭併せで折り合いを欠いて1馬身遅れとなった。だが、指揮官が「前進気勢の強さが取れないです。良くも悪くも一生懸命走りすぎますね」と指摘するのは大きな期待があればこそだ。
昨年は後のダービー馬の
ダノンデサイルがV。2年前に制した
ソールオリエンスは
皐月賞馬になった。課題を克服して登竜門の重賞を2戦目で勝ち切れば、栄光のクラシックへの道が大きく開けてくる。(角田 晨)
(※)国内セール出身馬で最高落札額の重賞Vは2億5000万円。3頭いて、昨年の
中日新聞杯を制した
デシエルト(19年セレクトセール当歳)、14年
きさらぎ賞、チャレンジCの
トーセンスターダム(12年セレクトセール1歳)、19年
きさらぎ賞の
ダノンチェイサー(17年セレクトセール1歳)。3億1000万円の
キングノジョーが勝てば、最高額重賞勝利となる。
スポーツ報知