史上初の父仔制覇なるか。
ロードカナロア産駒の
サトノレーヴ(牡6、美浦・
堀宣行厩舎)と
アスクワンタイム(牡4、栗東・
梅田智之厩舎)が、
スプリンターズステークス(3歳上・GI・芝1200m)に参戦する。
意外に思われるかもしれないが、90年のGI昇格以降、
スプリンターズSの父仔制覇は一度もない。例を挙げると、93年と94年に連覇した
サクラバクシンオーの産駒は延べ32頭が出走し、02年の
ショウナンカンプと09年の
カノヤザクラの3着が最高着順。97年の覇者である
タイキシャトルの産駒は延べ6頭が出走し、06年の
メイショウボーラーの2着が最高着順となっている。
高松宮記念の父仔制覇が4回あることを思えば、実に不思議だ。
今年は12年と13年に連覇した
ロードカナロアの産駒が2頭参戦する。中でも期待大は
サトノレーヴだ。今年の
高松宮記念でGI初制覇。その後は海外のGIを転戦し、
チェアマンズスプリントプライズとクイーンエリザベスII世
ジュビリーSで2戦続けて2着に健闘した。昨年の
スプリンターズSは1番人気で7着に終わったが、出遅れが堪えたもの。今年こそは全力を出し切り、史上6頭目の春秋ス
プリントGI同一年制覇といきたい。もう1頭の
アスクワンタイムは23年の小倉2歳Sの覇者。ただ、その後は10連敗中。オープン特別なら流れ一つで出番があるが、GIではどこまで通用するか。
父仔制覇はない
スプリンターズSだが、実は母仔制覇は一度だけある。22年に02年覇者の
ビリーヴの仔である
ジャンダルムが制しているのだ。これまで
ロードカナロア産駒は延べ14頭が出走し、20年の
ダノンスマッシュの2着が最高着順だが、今年こそ─。レース史に新たな1ページが刻まれることを期待したい。