天皇賞(秋)は東京芝2000mで行われる中距離戦だ。それだけに
スピードとスタミナの両立が求められるように思えるが、近10年を振り返ると
スピード優先の傾向あり。実は3着以内の30頭のうち、実に7割の22頭に芝1800m以下の重賞の勝利経験があったのだ。そこで今年の該当馬を紹介したい。
今年は6頭が当てはまる。そのうち
メイショウタバル(牡4、栗東・
石橋守厩舎)と
マスカレードボール(牡3、美浦・
手塚貴久厩舎)は上位人気に推されることが確実なので、改めて触れるまでもないだろう。残り4頭を見ると、実績最上位は
ブレイディヴェーグ(牝5、美浦・
宮田敬介厩舎)だ。23年の
エリザベス女王杯の勝ち馬。24年の
府中牝馬Sを制したのを最後に5連敗中だが、今年の
安田記念では0秒3差の4着に健闘しており、決して衰えはない。前走の
新潟記念は6着だが、暑さが堪えたようで参考外。2000mは合うイメージなので、復活を期待したい一戦となる。
偶然ながら、他にも牝馬の有力馬が多い。
クイーンズウォーク(牝4、栗東・
中内田充正厩舎)は重賞3勝の実力馬。今年の
金鯱賞では牡馬を撃破しているので、ここでも大きな力差はない。そして、その
新潟記念を制した
シランケド(牝5、栗東・
牧浦充徳厩舎)も侮れない。昨夏以降は重賞2勝を含めて5戦4勝。唯一の敗戦も
ヴィクトリアマイルのタイム差なしの3着だから、充実ぶりは著しい。
デクラレーションオブウォー産駒として
JRA・GI初制覇となるか。そういった視点でも要注目だ。
最後に牡馬の穴候補として
セイウンハーデス(牡6、栗東・
橋口慎介厩舎)を紹介したい。前走の
エプソムCで約2年ぶりとなる重賞2勝目をゲット。それも1分43秒9のレコードで1馬身3/4差の完勝だからインパクトがあった。今回は一気の相手強化となるが、高速決着は大歓迎なので一発があっても侮れない。
スピード豊かな伏兵が高配当の主役となるか。データの追い風を受けて4頭の走りに、是非とも期待してほしい。