引退競走馬たちによる馬術大会「RRC(Retired Racehorse Cup・引退競走馬杯)」。その決勝大会にあたる「RRC FINAL 2025」の馬場馬術と障害馬術が7日、東京都世田谷区の
JRA馬事公苑で開催された。馬場馬術には
JRA現役調教師である
中竹和也師が初参戦。15位という結果で終えた。
中竹師は99年に開業し、これまで
JRA通算7977戦696勝(12月7日時点)。09年に
ジョーカプチーノでNHKマイルCを制すなど
JRA重賞を28勝している。コンビを組んだ
メイケイダイハードは元管理馬。20年の
中京記念を制し、
JRA史上初のフルゲート18頭立て最低人気での重賞制覇という記録を残している。22年5月に引退し、岡山県のOld Friends
Japanで乗馬へ。今年のRRC岡山大会では2位となり、ファイナルへの出場権を獲得していた。
初参戦に中竹師は「四十数年前に受けた騎手試験のとき以来の緊張感でした。たくさんのファンの方々に見守られながら演技できて楽しかったです」と笑顔をみせた。
メイケイダイハードの性格については、「人には優しいけど、馬には厳しい」とし、「現役時代はそうした様子は見られませんでしたが、引退後は『自分が一番強い』という気持ちが芽生えたのかもしれません」と、引退後の変化についても明かした。
かつての管理馬との演技終了後には、笑みを浮かべながら手を振って充実の表情を見せていた中竹師。「馬の余生といった
ウェルフェア(福祉)は今後、ホースマンが考えていかなくてはいけない課題」とした上で、「この取り組みを機に、自分も馬に携わってみよう、触れてみようと思ってもらえたら嬉しく思います」と今後への希望を語った。
◇RRCとは
2018年に全国乗馬倶楽部振興協会によって創設され、引退馬のセカンドキャリア形成やリトレーニング技術の向上、乗馬愛好家の拡大を目的としている。これまで18年の
有馬記念覇者である
ブラストワンピースといった引退競走馬が大会に参戦。また今年は予選に
ディープボンドや
ゴールデンシックスティといった、ファンにもなじみ深い名馬たちも参戦した。