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【阪神JF】ヒズマスターピース “牝馬の国枝”最後の傑作 牝馬G1単独最多13勝目へ 馬体グンと良化でVへ死角なし

デイリースポーツ
  • 2025年12月10日(水) 06時00分
 「阪神JF・G1」(14日、阪神)

 来春に定年を迎える国枝栄調教師(70)=美浦=。数々の名牝を育て上げ、付いた異名は“牝馬の国枝”。2009年、21年に続く阪神JF3勝目を狙い、とっておきの素材を送り込む。未勝利→赤松賞を逃げ切り連勝中のヒズマスターピースだ。かつて3冠牝馬アパパネが歩んだローテで挑む大一番。9日朝は美浦坂路を4F67秒2で駆け上がり、最終追い切りに備えた。

 運動から引き上げてきたヒズマスターピースの姿に、確かな自信がにじむ。国枝師は「順調だよ。前回はいい勝ちっぷりだった」と満足げにうなずく。前走の赤松賞は16キロ減での出走だったが、「絞れたイメージ。ようやく競走馬らしい格好になってきた」と、アスリートとしての馬体が完成したことを強調。その成長ぶりは「ここ2カ月くらいでグンと良くなった」と言わしめるほどだ。

 国枝厩舎は赤松賞からのローテで4戦1勝、2着2回の好成績。「アパパネ(09年V)やステレンボッシュ(23年2着)と比べても遜色ない」。同じ臨戦で戴冠を果たした3冠女王や昨年の桜花賞馬の名を挙げ、「メンタルやフィジカルもいいし、体質が強い。体は大きいんだけど、走りに無駄がない」と手放しで素質の高さを称賛する。

 ここまでの連勝はいずれも逃げの形だが、「無理に行ってるわけじゃない。馬のリズムで走らせれば(控えても)問題ない」と自在性を示唆する。「輸送を気にする馬じゃないしね」。死角は見当たらない。

 国枝師は84年以降のJRA牝馬G1を12勝。松田博資元調教師と並ぶ歴代最多タイの金字塔だ。ここを制すれば歴代トップ。「俺にとっては牝馬G1ラストだしね。もうここしかないな」。名伯楽が最後に送り出す秘蔵っ子が、“単独最多勝”という最後のピースを埋めにかかる。

提供:デイリースポーツ

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