春シーズンに行われていた時期もあるが、2017年からは現行条件で行われている中距離のハンデ重賞。舞台となる中京競馬場2000mは坂の途中からスタートして馬場を1周と少々。高低差2メートルの急坂を備えている最後の直線は全長412.5メートル。極端なハイペースにはなりにくいコース形態で、現行条件となった過去8回で上がり最速馬は[2-2-0-5]。
スピード、瞬発力に加えてスタミナ、底力も求められる難レースだ。
◎
ピースワンデュックは3歳3月のデビュー戦ハナ2着のあと2000m以上の距離で3連勝で
菊花賞に駒を進めた高素質馬。さすがにそこでは厚い壁に跳ね返され、その後は1年近くの休養を余儀なくされたが、マイルの
秋風Sに出走し大外枠から先手を取って、そのまま押し切った。前後半の半マイルは46.8秒〜46.1秒。自分のペースでレースが出来たとはいえ、休み明けで初めて経験するマイルの流れ。58kgを背負っていただけあって価値が高い。前走の
カシオペアSは向こう正面で交わされリズムを崩した。単騎逃げが見込める今回は見直したい。
〇
シェイクユアハートは今年の
小倉記念2着馬。2勝クラスを勝ち上がったあと、3勝クラス特別を勝つまでの間は14戦して2着7回3着4回と勝ち味に遅かったが、そこで十分に力をつけて格上げ初戦の
小倉記念2着。最後は4kgのハンデ差があった勝ち馬に内をすくわれてしまったが、中団待機から早めに進出し、最後の直線で1度は完全に先頭に立った内容は高く評価できるものだった。
新潟記念は切れ負けしたような印象だったが、前走の
アンドロメダSは14kg増の馬体重で出走し、外々を回りながら0.1秒差2着、今度こそ、だ。
▲
ヴィンセンシオは
葉牡丹賞をレコード勝ちして、弥生賞2着。この時は、勝ち馬に早めに交わされながらも、最後まで気持ちを切らさずに同タイム2着。
凱旋門賞に駒を進めた
アロヒアリイ、
皐月賞馬
ミュージアムマイルの先着した。15番枠からのスタートとなった
皐月賞は道中で何度か不利を受けてリズムを崩し、新境地を開拓しようとした前走はスタートで躓いて自分の競馬が出来なかった。それでも、3歳世代では上位にランクされる1頭。まだ見限ることは出来ない。
△
シンハナーダは魚沼S優勝馬。体質が弱くデビューが3歳7月と遅れたが、いきなり経験馬相手に狭いところを割って出るようにして初勝利。まだ心身に若さが残るようだが、前走は後方待機策から外を回りながら進出し、最後はあっという間に抜け出した。全4勝中3勝が左回りというのも心強い。
ほかでは、脚質を転向して特別戦を2連勝してきた△
ファミリータイムと、
京都新聞杯を勝って
神戸新聞杯2着△
ジューンテイク。最後に連闘で挑む△
オニャンコポンの名前を挙げておく。