海の向こうで開かれる12月の一大イベント、香港国際競走が明日に迫った。4競走に7頭の日本馬が参戦するが、地元・香港勢は実に強力。日本馬に付け入る隙はあるのか?現地出張中の高木翔平記者が決戦の地シャティンから有力ラ
イバルたちの近況をリポートする。
香港カップの大本命は当レース4連覇を狙う
ロマンチックウォリアー。ここまで数々の日本馬の夢を打ち砕き、26戦19勝(24連対)。中距離路線における世界トップ級の実力は疑いようがない。今回、無理やり“ケチ”をつけるなら、骨折明けだった前走後の反動がどうかということくらいか。シャム師は「それほど負担の大きい手術(左前脚の球節にボルトを挿入)ではなかったが、本当に悲しかった。でも、その後は順調な回復を見せてくれた」と振り返った。
その言葉通り、復帰戦では
香港マイルでの人気が濃厚な
ヴォイッジバブルをあっさり撃破する。9日の最終追いも格の違いを見せつけるような脚さばき。大半の日本馬が6F80秒台でまとめる中、同76秒9は衝撃だった。同師は「前走から大きく状態を上げた。完璧に近いコンディション」と絶好調をアピールする。会見では「来年はサウジCで
フォーエバーヤングにリベンジしたい」と早くも来春の話題。ここはあくまで通過点という認識か。
現地では
ロマンチックウォリアー以上の人気を感じるのが15連勝中のカーイン
ライジング。枠順抽選会ではどの馬よりも歓声を浴びていた。ス
プリントの本場だけに、周囲から集まる敬意も別格。
香港スプリントに3頭を出走させるサイズ師は「香港ではあまりに偉大な存在。勝つのは信じられないくらい難しい」と話せば、他の地元勢からも“降伏宣言”といった言葉が並ぶ。各ブックメーカーは単勝オッズを1・1倍よりも低く設定しており、いかにその能力が抜けているかが伝わる。
最内枠はキャリア19戦目で初めて。それでも
ヘイズ師は「ブロックされる可能性がある枠だが、スタートが速いのでそうはならないと思う」と言い切る。前哨戦の香港ジョッキークラブス
プリントは大外枠から二の脚の違いで一気に2番手へ。この馬が包まれるシーンは想像しづらい。あと2と迫る
サイレントウィットネスの香港記録17連勝も余裕に思えてくる完成度。今年、カップとス
プリントに挑む日本馬たちの壁はあまりに高い。
スポニチ