有馬記念の陰に隠れた形で、GIIにしては地味な印象の阪神Cだが、実は穴党に人気のレースではないか。というのも第1回の06年から19年連続で3連単が万馬券だから。ただ、逆に一度も50万円を上回ったことがないのも面白い。それはさておき、今回はあえて3連単がレース史上最低配当だった21年を振り返ろう。
この年の阪神Cは上位伯仲モードだった。1番人気の
ソングライン以下、
ダノンファンタジー、
グレナディアガーズ、
ホウオウアマゾン、
ルークズネストまでの5頭が、単勝4.1倍から7.6倍の範囲に収まっていたのだ。
実際にレースも激しい戦いとなった。前半800mは45秒3の平均ペース。逃げた
ファストフォース、番手追走の
ラウダシオンが粘り込みを図るが、残り200mで失速。内から3歳の
ホウオウアマゾン、馬群の真ん中から連覇を目指す
ダノンファンタジーが追い上げてきたが、それらを大外から一気に捕らえたのが
グレナディアガーズだった。C.デムーロ騎手の激しいアクションに応えて脚を伸ばし、最後は
ホウオウアマゾンに1馬身半差をつけてゴール。前年の
朝日杯FSを制して以来、約1年ぶりとなる重賞2勝目を手にしたのだ。3番人気→4番人気→2番人気で決まり、3連単は今でもレース史上最低配当となっている1万7930円だった。ちなみに
グレナディアガーズは22年と23年の阪神Cで2着となり、3年連続連対のプチ偉業を達成。24年から社台SSで種牡馬となったので、今度は産駒が阪神Cを賑わせてくれることを期待したい。
さて、今年の阪神Cではどんな結末が待っているのだろうか。3連単はレース史上初の4桁配当か、それとも過去最高額の驚愕馬券か。そんな視点でも楽しみな一戦となる。