有馬記念へのローテーションは多種多彩だが、
マイルCSからの直行で挑む馬は多くない。86年以降では延べ21頭。今回はその中から馬券に絡んだ3頭を紹介したい。
1頭目は88年の
サッカーボーイだ。栗毛の美しい馬体から「
テンポイントの再来」と呼ばれたグッドルッキングホース。1番人気に推された
日本ダービーでは15着に大敗したものの、そこから中日スポーツ賞4歳S、
函館記念と重賞2連勝。そして
マイルCSでは2着に4馬身差の大楽勝を収め、前年の阪神3歳Sに続くGI・2勝目を挙げた。さらに
有馬記念では3番人気の支持を集め、同世代の
オグリキャップや
スーパークリーク、1歳上の
タマモクロスと激闘。後方から脚を伸ばし、4位入線→3着繰り上がりとなった。マイルから中距離を引っ張っていけるであろう馬だったので、これがラストランとなったことが惜しまれる。
2頭目は92年の
ナイスネイチャだ。前年に
小倉記念、
京都新聞杯、
鳴尾記念と重賞3勝を挙げて、
有馬記念でも3着だった実力馬。この年も休み明けの
毎日王冠が3着、
天皇賞(秋)が4着、
マイルCSが3着と善戦を続けていた。そして
有馬記念でも渋太く脚を使い、
メジロパーマーと
レガシーワールドに続く3着に健闘。翌年も3着に食い込み、3年連続で
有馬記念3着という名
バイプレーヤーぶりを発揮することとなる。
そして3頭目が06年と07年の
ダイワメジャーだ。名マイラーのイメージが強いが、実は2000m以上でもトップクラスの実力馬だった。04年に
皐月賞、06年に
天皇賞(秋)を制覇。
有馬記念には06年、07年ともに
マイルCS制覇から挑み、前者が
ディープインパクトから0秒6差、そして後者が
マツリダゴッホから0秒6差で、ともに3着だった。それだけに海外での代表産駒となるダブルメジャー(
Double Major)が、長距離G1のロワイヤル
オーク賞を連覇しているのも決して不思議ではない。
さて、今年の
有馬記念には
マイルCSで5着だった
エルトンバローズが参戦を予定している。主戦場がマイルから1800mであること、そして未勝利時代に2200mを一度使って9着だったことから適性こそ不透明だが、どこまで食い下がれるか。その走りに少し注目したい。