今年の
有馬記念で穴党が熱視線を注いでいるのが
ミステリーウェイではないか。前走の
アルゼンチン共和国杯では9番人気の低評価も何のその、まんまと逃げ切って重賞初制覇。勢いに乗って年末の大一番に駒を進めてきた。そこでこの機会にクローズアップしたいのは15年の
グランプリ。史上唯一となる
アルゼンチン共和国杯からの連勝で、
ゴールドアクターがGI初制覇を果たした一戦を振り返ろう。
この年の
有馬記念は混戦模様だった。1番人気はここがラストランの
ゴールドシップ。ただ、直近のGI・2戦が15着、10着とあって、ファンの間では評価が分かれていた。2番人気は同年の
宝塚記念と
天皇賞(秋)を制した
ラブリーデイ。以下、3歳の
リアファルと
キタサンブラック、堅実駆けの
サウンズオブアースと続き、ここまでが単勝10倍以内だった。一方の
ゴールドアクターは8番人気で単勝17.0倍の伏兵評価。夏場から1000万下、1600万下、
アルゼンチン共和国杯を連勝し勢いがあったものの、前走で初タイトルを手にしたばかりとあって、少し陰に隠れた存在だった。
レースは
キタサンブラックと
横山典弘騎手が逃げて、ゆったりと流れた。番手に
リアファル、好位に
ゴールドアクターや
サウンズオブアース、中団前に
ラブリーデイ。
ゴールドシップは後方で脚をためた。レースが動いたのは3角手前だ。
ゴールドシップと
内田博幸騎手が大外から進出。一気に好位に並びかけたのだ。これに合わせて
マリアライトが前へ。内から
ゴールドアクターも進出して直線に向いた。粘る
キタサンブラックと
マリアライト。これを交わして先頭に立ったのが
ゴールドアクターだ。脚色が鈍った
ゴールドシップを交わし、
サウンズオブアースが猛追してきたが、クビ差まで詰め寄ったところがゴール。充実期を迎えた4歳馬と
吉田隼人騎手が、揃ってGI初制覇を果たしたのだった。
あれから10年、今年は
ミステリーウェイと
松本大輝騎手が人馬揃って初の
ビッグタイトル獲得を目指して参戦する。当時の再現となるのか。松本騎手には若手らしい思い切った手綱捌きを期待しよう。