「朝日杯FS・G1」(21日、阪神)
2番人気の
カヴァレリッツォが豪快に差し切り、2歳マイル王の座に輝いた。
サートゥルナーリア産駒のG1勝利は初で、C・デムーロも昨年の
エリザベス女王杯(
スタニングローズ)以来、今年初のG1勝利だった。逃げてしぶとく粘った5番人気の
ダイヤモンドノットが2着に入り、1番人気の
アドマイヤクワッズは3着に敗れた。
豪快なイン突きで2歳マイル王まで駆け上がった。2番人気の
カヴァレリッツォが、直線で内から上がり最速(3F34秒3)の末脚で差し切り、G1で重賞初勝利を果たした。
ガッツポーズで喜びを爆発させたC・デムーロは日本語で「本当に強いし、めっちゃ元気。日本、めっちゃ好き」と笑顔をはじけさせた。
五分のスタートから道中は中団を追走。道中はやや力む面も見せたが、名手がきっちり折り合いをつけ、直線では前が壁になりそうなタイミングで進路を内へ。抜け出した
ダイヤモンドノットとの差は残り1Fで約3馬身差あったが、1完歩ずつ差を詰めてゴール手前で逆転。「心配したけど、頑張ってとらえてくれた」。重馬場のキック
バックで泥まみれになった顔を拭いながら、パートナーの奮闘をたたえた。
前走の
デイリー杯2歳Sでは、外へモタれる若さを見せて2着に惜敗。それだけに鞍上は「前回は若さを出したけど、きょうは厩舎や牧場の尽力で強い走りができた。チームの勝利だと思う」と、関係者への感謝も惜しまなかった。
吉岡師は「届かないかなと思ったけど、人馬とも諦めていませんでした。ジョッキーも左に張る面を意識して、上手に乗ってくれましたね」と笑顔で鞍上に最敬礼。厩舎一丸で課題を克服してつかんだ
ビッグタイトルに喜びもひとしおだ。「前走の敗因ははっきりしていたので、しっかりサポートしてきました。きょうは今までで一番落ち着いていた」と精神面の安定も勝因に挙げる。
今後は未定ながら、重賞勝ち馬4頭をまとめて撃破した勝利の価値は高い。助手時代に父
サートゥルナーリアも担当していた指揮官は「普段は父のように扱いやすい馬。父譲りの
スピードも持っていますね。距離も2000メートルぐらいまでは大丈夫だと思います」と明るい将来を見通す。世代最強の末脚を証明した素質馬は、来春の主役も譲らない。
提供:デイリースポーツ