いよいよ今週で2025年の新馬戦が終了。来週からは3歳新馬となり、芝の番組が極端に少なくなる。これを見越して、先週の中山芝1600mの番組はかなりの除外が出るのではないかと予想したが、フルゲート16頭でちょうど収まっている。
今週の阪神芝1600mも当初は相当な頭数になりそうという想定だったが、そういった情報を活用して、前倒しで先週の芝レースに出走させるなど、陣営もいろんな工夫をしている。ただ、それでは「番組ありき」の出走になるので、やはり馬の状態を優先した使いやすい番組というのが、この時季の新馬戦の課題になることは間違いないだろう。
【12月27日(土) 阪神芝2000m】
◆
ローズラフィネ(牝、父
エピファネイア、
母ニーナドレス、栗東・
友道康夫厩舎)
母ニーナドレス(
父ハーツクライ)は現役時代に
友道康夫厩舎で管理され、未勝利、
君子蘭賞と2戦連勝で
オークスに出走した素質馬。その後は故障があって、引退を余儀なくされて、本馬が初仔。
友道康夫調教師は「体型も母に似ている」ということで、母と同じ芝2000mでのデビューとなった。
先週のCW追い切りにはレースでも騎乗が予定されている
武豊騎手が騎乗。新馬を追走して、ゴール前では相手を捕まえて突き放す、派手な先着でフィニッシュした。6F84.4秒は平凡な時計だが、ラスト1F11.5秒は余力がある中でマークしたラップ。追い切り後、友道師は「ジョッキーも好感触を掴んでくれました」ということなので、レースでの走りが楽しみだ。
【12月28日(日) 阪神芝1600m】
◆
アルデマン(牡、父
St Mark's Basilica、
母カルタエンブルハーダ、栗東・
藤岡健一厩舎)
父
St Mark's Basilicaは現役時代に仏2000ギニー、仏ダービー、
愛チャンピオンSなどのG1を勝っている。本馬は2024年セレクトセール1歳にて、7000万円(税抜き)で落札されている。
坂路での追い切りでは4F目が13秒を切ることができず、動きが目立たなかったが、
高杉吏麒騎手が跨ったCWでの1週前追い切りは3頭併せで最先着。ゴール前は古馬2勝クラスの
ファイツオンとの追い比べだったが、手応え的にはこちらに余裕があるようにも見えた。
【12月28日(日) 阪神ダート1400m】
◆
シャインゴーツ(牡、父
アルアイン、
母プリンセスカナ、栗東・
北出成人厩舎)
母プリンセスカナ、そして
JRAに競走馬登録されたきょうだい5頭すべてが
北出成人厩舎という、まさに厩舎ゆかりの血統。そして、調教には
北出成人厩舎で実習中の競馬学校騎手過程43期生の萱野花音さんが騎乗している。
CWでの1週前追い切りにも騎乗した萱野さんにその感触を聞いてみると「ラスト1Fは11.3秒が出ていますが、瞬発力というよりは、長くいい脚を使うタイプです。追い切るたびに動きが良くなっている手応えは感じます」とのこと。レースでは
亀田温心騎手が騎乗予定となっている。
【12月28日(日) 中山芝2000m】
◆
コンジェスタス(牡、父
コントレイル、
母キラモサ、栗東・
高野友和厩舎)
半姉
チュウワダンス(
父ハーツクライ)は中京芝2000m、半姉
トロピカルティー(父
リアルスティール)は東京芝1800m、半兄
ワース(父
キズナ)は中京芝1400mでそれぞれ新馬勝ちしており、メイクデビュー向きの血統であることは間違いない。
本馬は2週前追い切りとなる12月10日の坂路で4F目11.9秒のラップを踏んでおり、1週前追い切りでも坂路で4F目12.3秒。ラストがしっかりしたラップを踏むことができており、着実に上昇中。レースではC.デムーロ騎手の騎乗が予定されている。
(取材・文:井内利彰)