◆第70回
有馬記念・G1(12月28日、中山競馬場・芝2500メートル)
暮れの
グランプリの「考察」担当は
ヤマタケ(山本武志)記者。初回の見立て編では、前走に続きクリスチャン・デムーロ騎手が手綱を執る
ミュージアムマイルに注目した。
あれから1年か…。昨年の
有馬記念は「考察」でたどり着いた◎
レガレイラが先頭に立った瞬間、無印だった
シャフリヤールが外から一緒に伸びてくる。脱力感の中、ぼう然と立ち尽くした。今年はこれを引きずるように、とにかく相手抜けが多かった。秋はG1で本命の落馬という事態にも遭遇。皆さんにご迷惑をかけたぶんを、最後で一気に取り返します。
勝負事は流れが大事、と痛感した2025年。だからこそ、
ミュージアムマイル(牡3歳、栗東・
高柳大輔厩舎、父
リオンディーズ)の高柳大調教師から聞いた「ようやくですね」という言葉が頭に残った。今年5戦は鞍上がすべて変わったが、今回はCデムーロが
天皇賞・秋に続く騎乗。昨年も2度乗り、今回が4度目のコンビ。今年の
皐月賞馬を最もよく知っている。
過去40年の
有馬記念で乗り替わりによる勝利は8回しかない。その中でもテン乗りは4回のみ。一戦ごとに理解を深めた人馬がト
リッキーな舞台で1年の総決算を描き出している印象だ。
ミュージアムマイルは今まで1週前追い切りでレースに乗る騎手が騎乗してきたが、前走はCデムーロの来日前。その調整はかなわなかった。今回は17日にCWコースでしっかりコンタクト。「すこぶるいい。状態が上がっているのが分かります」。続けて乗るからこそ分かる太鼓判が頼もしい。そして、思い出した。記者の予想をあざ笑うように、早めの仕掛けから踏ん張り通した昨年の
シャフリヤール。馬上にいたのは継続騎乗のクリスチャンだった。
(山本 武志)
スポーツ報知