「第78回
日本ダービー・GI」(芝2400m)は29日、東京11Rに18頭で争われ、中団やや後ろから進んだ1番人気の
オルフェーヴルが、不良馬場をモノともしない豪脚を繰り出し快勝。雨中の頂上決戦を文句なしの強さで制し、同世代7458頭の頂点に立った。勝ちタイムは2分30秒5。1馬身3/4差の2着は直線勝負に賭けた
ウインバリアシオン(10番人気)。さらに7馬身差の3着には8番人気の
ベルシャザールが入った。
14年目の池添は7度目の挑戦でダービージョッキーの仲間入りを果たした。泥と雨にまみれた顔に、涙が混じる。
皐月賞馬で臨む重圧は相当なものだった。全てを乗り越え、ようやく穏やかな表情を取り戻した。「実感が沸いてきたというか、ダービージョッキーになったんだなと。すごいと思います。父にも初めて自慢できます」。父の池添兼雄調教師よりも先につかんだ栄冠に胸を張り、「あとは父と一緒にGIを穫りたい」と次の夢を語った。
42歳と4か月17日でのダービー制覇となった池江師。
グレード制導入後の84年以降、最年少V調教師となった。厩舎開業8年目にして、早くも頂点を極めたが、「10歳のときからダービートレーナーを目指してきた。あれから32年も経つから…」と苦笑い。夢を叶えて「長かった」と深く息を吐いた。
ひと夏越せば大きく成長する血筋。次走は未定だが、当然3冠目の
菊花賞(10月23日・京都)を視野に入れる。「(
菊花賞で)3冠を目指すのか、三千は厳しいから
天皇賞・秋になるのか、これからゆっくり考えたい」と明言を避けたが、「自分のなかでは“3冠の重み”というのがある」と、父が成し遂げた3冠制覇を見据える。頂点に輝いた人馬が、秋にはさらに
スケールアップした走りを見せてくれるはずだ。
提供:デイリースポーツ