牝馬クラシック第1弾「第72回・桜花賞・GI」(芝1600m)は8日、阪神11Rに18頭で争われ、中団を追走した2番人気のジェンティルドンナがゴール前3頭の叩き合いを制して快勝。桜の女王に輝いた。好発から道中は中団でじっくり構え、4角をスムーズにさばいて馬場のど真ん中へ。内から抵抗する4番人気のヴィルシーナ(2着)を最後は半馬身競り落とした。勝ちタイムは1分34秒6。さらに半馬身差の3着は3番人気のアイムユアーズ。1番人気に支持された2歳女王ジョワドヴィーヴルは伸びを欠き6着に終わった。

　馬から下りた岩田はすぐに石坂師の胸へと飛び込んだ。「馬の具合も良かったし、自信を持ってレースに挑んだ。先生も喜んでくれたし、うれしく思います。折り合いもバッチリ。最高のレースができた」と会心の騎乗に笑みを浮かべた。

　石坂師はクラシックのタイトルを初めて獲得。「勝ち負けのできる位置で競馬をしているなと思った。“桜花賞へ行きたい”とデビューから思っていた。良かったと思う」と力強くうなずく。中間に熱発があった前走では4着に敗れたが、あくまでも前哨戦。ショックはなかった。「追い切りの反応も良かった。前回は心配しながらだったけど、今回はきっちりとできていた」。本番へ急上昇して、一気にヒロインへと駆け上がった。

　次は牝馬クラシックの第2ステージ・オークス(5月20日・東京)。左回りの府中、800mの距離延長、第1冠とは大きく変わる設定が待ち受けるが、師は「折り合うし、テン良し、中良し、しまい良し。精神的におとなしい馬なので、距離にも対応できると思う。オークスも自信を持って出したい」と期待を込める。この日の阪神競馬場の桜は三分咲き。ひと足先に満開の花を咲かせた桜花賞馬が樫の舞台での2冠獲りを誓った。

提供：デイリースポーツ