「第62回
安田記念・GI」(芝1600m)は3日、東京11Rに18頭で争われ、中団馬群の中を追走した2番人気の
ストロングリターンが、直線外から抜け出し、13番人気の
グランプリボス(2着)との競り合いを首差制してV。1分31秒3の
JRAレコードでGI初制覇を飾った。3着は2馬身差で15番人気の
コスモセンサーが入り、3連単は46万8600円の高配当。なお、1番人気の
サダムパテックは9着に敗れた。注目の香港勢は
ラッキーナインが11着、
グロリアスデイズは14着に敗れている。
先頭でゴール板を駆け抜けた
ストロングリターンの背で、福永は小さく右の拳を握りしめた。その後、かみしめるような
ガッツポーズを2回。これこそが、今の気持ちを代弁するものだった。「春のGIは有力馬で結果が出せなかったが、やっと結果を残せた」。リーディングのトップをひた走る男も、GIでは
皐月賞2着が最高着順。自然と右手が上がった。
初コンビの前走、
京王杯SCでは4着。福永は「昨年は石橋(脩)君が騎乗して2着。彼も結果を出していたが、それ以上の結果が求められると思っていた」と語る。プレッシャーに打ち勝っての栄冠を「能力がきっ抗したメンバーだけに、ひとつのミスも許されないと思っていたが、スタート、道中、直線と全てがうまくいった」と振り返った。
まさに“福永ウイーク”だった。土曜の
鳴尾記念を
トゥザグローリーで制し、日曜はGI、最終レースの
ユニコーンSでもVをつかんだ。ただ、現状には満足していない。さらなる高みを目指すため
トゥザグローリーで臨む
宝塚記念(24日・阪神)後には、アメリカ西海岸への武者修業を計画している。候補は
ハリウッドパーク競馬場、そして
デルマー競馬場。さらに、今回のパートナー・
ストロングリターンにも遠征プランが浮上している。この一戦でひと回り大きくなったユーイチ。夏の海外遠征を期に、さらなる進化が見られそうだ。
提供:デイリースポーツ