天皇賞・春(GI・芝3200m)に出走予定の
フェノーメノ(牡4・
戸田博文厩舎)、
ジャガーメイル(牡9・
堀宣行厩舎)、
マイネルキッツ(牡10・
国枝栄厩舎)について、各陣営に取材をした。
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フェノーメノについて、
戸田博文調教師。
「先週ビシッとやって既に体もできていましたし、今日(4/24)は特に問題もなくスムーズな追い切りができました。初めての長距離輸送での競馬になりますが、2歳時に北海道からこちらに運んできているわけですし、体が減るような心配もないですから、輸送に関しては問題はないと思っています。昨年よりも、精神的に大人になってきましたし、環境の変化に関しても心配はしていません。昨秋、
セントライト記念に勝った時には、若干2着馬に詰められたという印象がありました。それもあって、東京コースが得意ということと、馬にまだ幼い部分が残っていたということで、
菊花賞ではなく
天皇賞・秋に向かいました。
今年の
日経賞では、ゴール前で2着馬を離して余裕のある勝ち方でしたから、それは評価をして良いと思います。3歳時はひと夏を越して馬が変わってきましたが、今年に入ってからは、馬体重自体は変化はないですが、昨年に比べて体の
バランスも均等になり、整ってきました。JC後に休ませたのも良かったと思います。古馬との競馬では、上手に立ち回っていましたが、キレ味勝負になると分が悪い感じがしましたし、もう少し力強さが出てきてほしい面もありました。ただ実際に競馬に行って、急に変わることもありますし、競馬を使って力がつくこともありますので、そのあたりに期待したいと思っています。
ゴールドシップは、怒涛の追い上げを見せる馬ですから、正直怖いなと思いますが、あの馬とどのくらいやれるのかなという気持ちもあります。関東馬に良い流れが来ていますので、その流れに乗れればいいですね。今のところ、土曜日の朝、美浦を出発して京都に向かう予定です」
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ジャガーメイルについて、
堀宣行厩舎の橋本篤典調教助手。
「前走の
ダイヤモンドS(GIII・芝3400m・2着)は、58.5キロのハンデを背負っていましたが、よく盛り返して2着に入ったと思います。レース後は、ノーザン
ファーム天栄に放牧に出ましたが、戻ってきてからもいつも以上に攻めていますし、ここまで順調に来ています。先週は、6ハロンから速い時計を出していましたが、終いの動きが今ひとつという感じでした。今週(4/24)は5ハロンから行き、半マイルくらいからペースを上げていって、終いを伸ばすという追い切りでしたが、先週よりも反応が良かったようですし、仕上がり具合も十分だと思います。9歳ですから大きな変わり身はそれほどないですが、元気もあり、年齢からくる衰えは感じません。ただ2000mくらいのレースで、終いの瞬発力勝負の競馬は向かなくなってきているあたりは、年齢的なものもあると思います。
これまで強い相手と戦ってきている馬ですから、ここのところ勝てなかったのは運がなかったというのもありそうですね。2400m以上の距離では崩れませんし、いい脚を長く使える京都の外回りコースもこの馬には合っています。相手は強いですが、ここでも見劣りはしないと思います」
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マイネルキッツについて、
国枝栄調教師。
「前走の
日経賞(GII・芝2500m)は、オッと思わせてくれるような競馬をしてくれて5着でしたから、まだまだやれるかなと思いましたし、良い競馬をしてくれましたね。10歳という年齢ですから、前走後は体調を整える感じでやってきましたが、ここまで順調に来ました。先週の追い切りも、素軽い良い動きでした。今日(4/24)はウッドチップコースで併せ馬の予定でしたが、最後は1頭のような形になりました。それでも一生懸命走っていましたし、騎乗者も良い動きで状態も良いと言っていました。10歳になりますが、気は若いのでまだまだやれると思います。
その時の流れひとつでレースが変わりますから、うまくペース判断をしてほしいですが、鞍上(C.デムーロ)も成績を出していて、しっかり追える騎手ですからね。乗りやすい馬ですし、頑張ってくれるのではないでしょうか。まだまだ頑張れるところを見せたいですし、走る以上は良い競馬をしてほしいですね」(取材・写真:佐々木祥恵)