勝てば史上初の快挙だ。7歳牝馬が
JRA・GIを制覇した例はなく、最先着は09年
ヴィクトリアマイルの
ジョリーダンス(当時8歳)の5着。“熟女”にとっては厳しいデータだが、重賞4勝を挙げる実績馬
フミノイマージンならば、という期待は高まる。昨夏の
札幌記念では、一流牡馬を撃破。今回人気を集める
ハナズゴールにも完勝した。牝馬限定戦なら、むしろ力上位とも言えよう。
「衰えた感じはありません。前走は得意な距離でもありませんでしたし、道悪でしたからね。悲観する内容ではありませんでしたよ」と主戦・太宰の表情に暗さはない。
阪神牝馬S7着の敗因は馬場。発表自体は良だったが、雨中のレースで切れ味をそがれてしまった。
6歳だった昨年の勝ち鞍は
札幌記念のみ。ただ、中井助手によれば万全の仕上がりではなかったという。「
札幌記念はまだできていなかったんです。具合はGIの時の方が抜群に良かったのですが、かわいそうな競馬になってしまったので…」。昨年のこのレースは直線で前が詰まってしまい15着、道悪だった
エリザベス女王杯は、荒れた内に押し込められて11着。消化不良が続くGIで、全能力を発揮させたい、というのが願いだ。
誰より燃えているのが、初GIを狙う鞍上だろう。「状態も前走よりいいですし、条件的に東京マイルは合っています」と腕をぶす。先週の
NHKマイルCでは、柴田大が
マイネルホウオウで涙の平地GI初V。「自分も頑張ろうと思いました。もちろんGIは勝ちたいですから」。今度は太宰が夢をかなえるか。
提供:デイリースポーツ