NHKマイルC(GI・芝1600m)で、見事な末脚を繰り出して混戦を制した
マイネルホウオウ。激闘から2日後の5月7日(火)に、
畠山吉宏厩舎を訪ねた。
担当の菅田健太調教助手は「ゲートに行っていたので、レースは戻ってくるバスの中で見ていました。席が後ろだったので画面が良く見えなかったのですが、実況が聞こえてきて思わず声が出てしまって…。最後は『やった!』と叫んでしまい、バスの中がシーンとしてしまいました。恥ずかしかったですし、何か申し訳ない気持ちになってしまいました(笑)。状態は、絶好に近かったと思います。昨年の新潟で、
ゴットフリートにハナ差の2着になった時のように後ろから行ってくれればと考えていたのですが、大知さんがうまく乗ってくれました。左回りの方が、真っ直ぐ走ってくれる印象もありますね。
テンションが高くなっていた時期もあったのですが、今回は落ち着いていたのも良かったです。レース後は、さすがに飼葉を食べるペースは遅くなりましたが、元気ですよ」と、笑みがこぼれる。
普段は「ホウオウかホウ君」と呼んでいるという菅田助手は「大人しくてヤンチャなところがなくて、女の子みたいな馬ですよ。人懐っこいですしね」と、愛しそうにホウ君の首を撫でていた。
柴田大知騎手は「2着の
インパルスヒーローの後ろにつけていって、最後は併せ馬の形になればいいなと思ったら、その通りになりました。前半、前に行かなかった分、脚がたまって最後の力になったのかなと思います。それと菅ちゃん(菅田調教助手)が後ろから押してくれたのではないですかね(笑)」と、笑顔でレースを振り返っていた。
畠山吉宏調教師は「直線ではずっと声が出っぱなしでしたね。ゴールした瞬間は、やはり嬉しかったですし、ああ勝ったんだなあという感じでした。競馬場でもそうだったのですが、上がってきても馬はケロッとしていました。美浦には夜の8時過ぎに厩舎に着いたのですが、早くゴハンくれ〜という感じでした。あれだけの競馬をしたのに、元気ですし、頼もしいですね。
NHKマイルCからダービーという馬も過去にいましたから、ダービーも視野に入っていますが、中2週ですから馬の様子をよく把握して、オーナーサイドとも相談してダービーに行くか斤量が有利な
安田記念に行くか、今後について決めたいと思います」と、初GI制覇の喜びと今後について語った。(取材・写真:佐々木祥恵)