前半の遅いラップにも
エピファネイアは掛かることなく、栗東坂路を素軽い脚取りで駆け上がった。2Fを過ぎたあたりからハミを取って“その気”になったが、手綱でコントロールが利くレベル。ラスト2Fを14秒3-14秒4という理想的なラップでまとめて決戦前々日の調整を完了した。
引き揚げてきた様子を確認した角居師は「追い切り後も変わらず順調にきています」と笑顔を見せる。
弥生賞に
皐月賞とここ2走はともに折り合いを欠く場面があったことから、この中間は調整方法を工夫。あえてハミをかませて我慢させる調教を積んできた成果が、水曜の追い切りや金曜の動きからも見て取れた。
テンションが上がらないように、2週前と1週前に栗東CWで長めから速い時計を出し、今週は馬なりの調整にとどめたのも予定通り。最終追い切りだけを取れば軽めに映るが「調教での負荷のかけ方が今までとは違います。これまでで一番攻めました」と鈴木助手が話すように“ダービー仕様”の仕上げを施した。
前2走は外枠で前に壁をつくれなかった。だが今回は5枠(9)番。「この枠ならうまく馬込みに潜り込めそう」とトレーナーはうなずく。
皐月賞が2着、また昨年のラジオNIKKEI杯2歳Sでは最速上がりで
キズナを完封したように、能力は世代でも
トップレベルだ。あとは本番でも折り合えれば、05年の
オークスを制した
シーザリオとの史上6頭目となる母子クラシックVが見えてくる。
提供:デイリースポーツ