端正なマスクを崩して必死の形相でムチを振るう。浜中のゲキに応えて、3番人気
ショウナンマイティが大外から豪快にス
トライドを伸ばす。ノドから手が出るほど欲しいGIタイトル奪取へ向け、繰り出した上がり3Fはメンバー最速の32秒8。それでも首差届かず2着に惜敗した。
「悔しいですね。GIを獲らせてあげたかった」と唇をかんだ鞍上は、冷静にレースを振り返る。「初めてのマイル戦でも上手に走ってくれた。最後はエンジンがかかってからしっかり伸びてくれたんですが」。直線では他馬に寄られて外に膨れるロスもあったが、何を言っても結果が変わることはない。「それも勝負ですから」と潔く敗戦を受け入れた。
時間がたつにつれて、抑えていた感情が沸き上がる。報道陣の輪が解けて静けさを取り戻した検量室。若武者は思わず目を赤く腫らした。デビュー時から高い評価を与え続けている愛馬にささげられなかった
ビッグタイトル。「今度は勝ちたい」。
宝塚記念(6月23日・阪神、芝2200m)へ向かうか、秋に備えるかは現時点で未定だが、次の大舞台では悔しさをバネにひと回り成長した人馬の姿がきっとある。
提供:デイリースポーツ