「第63回
安田記念・GI」(芝1600m)は2日、東京11Rに18頭で争われ、中団を追走した1番人気の
ロードカナロア(栗東・安田)が、直線で抜け出してGI4勝目を挙げた。好スタートからスッと下げて、道中は折り合いに専念。残り200mで先頭に立つと、迫る後続を振り切り、貫禄を見せつけてゴールイン。昨年の
最優秀短距離馬が、マイル路線も制圧した。勝ち時計は1分31秒5。首差の2着に3番人気の
ショウナンマイティ。さらに3/4馬身差の3着に12番人気の
ダノンシャークが入った。
「道中も我慢してくれたし、我慢させる自信もあった。思惑通りのレースができた」。ゴールから逆算する騎乗をイメージしていた岩田にとっては狙い通り、会心の手綱だった。「ホッとしました」。安田師は安どの表情を見せる。オーナーに
安田記念出走を進言したのはトレーナー自身。昨年も6月(函館ス
プリントS2着)に使って、秋に向けたいい滑り出しができたことが
安田記念を選択した理由だった。「1200mオンリーできましたので、東京の1600mは自分自身もどうかなと思うところはあった」。そんな不安を見事にかき消す快勝に、「強かった。この舞台は他のコースの2000mに値する。大きなチャレンジだったけど、充実感があるし、満足しています。種馬としての価値が大きくなりますから」と愛馬をたたえた。
この収獲大の勝利で今後の予定を軌道修正する可能性も出てきた。当初は
セントウルS・GII(9月8日・阪神、芝1200m)から
スプリンターズS・GI(9月29日・中山、芝1200m)と、昨年と同じローテを予定していたが、前哨戦を
スキップして、史上初となる春秋ス
プリント&マイルGI全制覇を狙うプランが浮上。「
スプリンターズSから
マイルCS(GI、11月17日・京都、芝1600m)になるかも。
香港マイル(12月8日・シャティン、芝1600m)も魅力的に思えてきました。挑戦するかもしれません」。香港
メディアも出席した会見で、指揮官は世界中に動向を発信した。
提供:デイリースポーツ