「第65回
朝日杯FS・GI」(芝1600m)は15日、中山11Rに16頭で争われ、ダート2連勝で臨んだ4番人気の
アジアエクスプレス(美浦・手塚)が直線で大外を強襲。前を行く各馬を瞬く間に差し切り、3戦3勝で無敗の2歳王者に輝いた。勝ちタイムは1分34秒7。1馬身1/4差の2着は6番人気の
ショウナンアチーヴ、さらに首差の3着には5番人気の
ウインフルブルームが入った。なお、1番人気の
アトムは直線で前が壁になり5着に惜敗。地方・川崎から挑んだ2番人気の
プレイアンドリアルは7着に終わった。
初めての芝も何のその。剛腕ムーアの左ステッキに応え、外から一気に突き抜けた。「正直、いきなりGIでは」と手塚師にも不安はあったが、それを一掃する鮮やかな勝ちっぷり。「いやあ、してやったりという気持ち。うれしいですね」と期待以上の走りに笑みが絶えない。
道中は中団の内々を追走。「枠も良かったし、最短距離を走れればいいなと思っていたが、イメージ通り」とイギリスの名手は振り返る。4角手前で徐々に外へ持ち出すと、直線は大外へ。急坂を駆け上がると、先に抜け出した
ウインフルブルーム、
ショウナンアチーヴに襲いかかった。「4角からのスピードが違っていたので、差せる確信はあった」。並ぶ間もなく抜き去り、2歳王者の座を射止めた。
ジャパンCの
ジェンティルドンナに続くVで、ムーアは日本でのGI勝利は4勝目。
有馬記念では
ゴールドシップの復活を託されている。「来週もいい結果を出せるように頑張るだけ」。“V請負人”は、いつもの
ポーカーフェイスで大一番への意気込みを語った。
芝で頂点に立った栗毛の外国産馬は、今後どの路線を歩むのか。「クラシックも含めてオーナーと相談してから。ただ選択肢が増えたし、夢が広がったのは確かだね」とトレーナー。その未来は無限の可能性を秘めている。
提供:デイリースポーツ