極上の追い切り内容に、川田が破顔一笑だ。雨が降りしきる栗東CWで、大器
トゥザワールドが躍動した。しまい重点で、手応えに余裕を残しながらも、6F82秒2-37秒5-11秒8の好タイムを叩き出した。
「言うことなしですね」。乗った感触を問われた川田は、一点の曇りもない表情。「追走して、最後ちょっと強めに。すごく順調にきています。先週も非常にいい動きでしたが、楽に動けている感じです」。しまい12秒を切った時計、併せた
バーディバーディ(7歳オープン)を2馬身半も突き放した瞬発力、さらに荒れた馬場を苦にしない
パワー。全ての要素が、川田を喜ばせた。
動きを見守った池江師も満足げにうなずく。「今週も良かったですね。この時期としては言うことない」とジョッキーと同じ言葉を口にした。母がGI馬の
トゥザヴィクトリーで、兄に
トゥザグローリーという血統馬。もともとデビュー前から指揮官の期待は大きかった。しかし、母や兄を上回る成長度に、クラシックへの期待は高まっている。「前走はちょっと太かったが、今回は絞れてくる。攻め通り走れば、大丈夫だと思います」と強気に言う。
川田にとっては、8日の
チューリップ賞でも有力馬
ハープスターが控えている。「ずっと楽しみにしていた週ですからね」。まるで少年のように、無邪気な笑み。不安などない。結果はおのずと付いてくる。
提供:デイリースポーツ