天候に関するニュースでも報じられているように、最近は非常に乾燥した日が多い。その影響はウッドチップにも関係しており、Cコースだけでなく、坂路のウッドチップも乾いた状態。よって、クッション性があって、非常に走りやすい。
気温は15日こそ、調教開始時刻に2℃だったが、16日、17日は高め。暖かくなってくると動ける馬にとっては、調子の上がる季節になってきた。
【坂路/4F51.9秒】
16日。この日の一番時計は、
アドマイヤドバイ(栗東・橋田満厩舎)の4F50.0秒。後半2Fが24.5秒と速く、これが4F時計が速くなる要因だろう。51秒を切った馬も8頭いたが、ほとんどが2F25秒を切っている。実は、3F目に11秒台という馬が10頭以上。その中には、ラスト1F13秒を超えている馬もいるが、ほとんどが12秒台。引っ掛かり気味に時計が出ても止まらない馬場という印象だ。
皐月賞出走予定馬の追い切りも多かったが、時計は目立たなくても、動きが目立った
キングズオブザサン(栗東・
荒川義之厩舎)。同厩
クリノカンパニーとの併せ馬だったが、完全に相手を煽る動きでゴール。4F52.2秒と全体時計が速くて、2F24.7秒。動かない馬ではないが、1週前追い切りでは自己ベストを更新する4F時計をマークしており、状態に関しては文句ない。
先週の馬場差は「±0.0秒」。文中に記したように、走りやすい馬場であることは間違いないが、極端に速い馬場差をつけてしまうと、全体的な
バランスが悪くなるので、16日、17日とも『-0.2秒』で観測している。
【CW/5F66.5秒】
好天が続いていることもあり、走りやすい状態が保たれているCコース。驚くような速い時計をマークする馬はいなかったが、6F80秒前後でも、見た目にそんな速い時計が出ていないような感じ。一旦スピードに乗ると、簡単に減速しない馬場だろう。
17日に天皇賞春(5月4日・京都芝3200m)の2週前追い切りを行った
アドマイヤラクティ(栗東・
梅田智之厩舎)。1回目のハロー明けの時間帯だったが、馬場は閑散としており、単走ということもあって、非常に落ち着いた雰囲気だった。時計は6F84.8〜5F68.5〜4F53.1〜3F38.8〜1F12.2秒と遅めだが、ゴール前の伸びはなかなか。ただ、手前を右左と忙しく替えていたのは気になるところ。
先週の馬場差は「-1.0秒」。相変わらず、走りやすい状態は変わっておらず、16日、17日とも先週と同じ『-1.0秒』で観測している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週は普通キャンターで2歳馬が芝馬場を利用したケースはあったが、追い切りで利用した馬は
ディープストーリー(栗東・
藤原英昭厩舎)だけと思われる。一応、馬場差は16日、17日とも『+0.0秒』としている。
ポリトラック馬場はいつも通り、時計の出る状態。この季節になって、調子が上向いていると感じるのが、
サンレイレーザー(栗東・
高橋義忠厩舎)。
谷川岳S(5月4日・新潟芝1600m)が予定されているが、
菱田裕二騎手が跨って、絶好の動き。6F76.9〜5F61.9〜4F48.0〜3F35.4〜1F11.3秒という時計は同馬にとって、決して速いわけではないが、弾むようなフットワークでゴール前を駆け抜けたあたり、体調が上がっている印象を受ける。
なお、馬場差に関しては、先週と同様の『-1.0秒』で、16日、17日とも観測している。(取材・写真:井内利彰)
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。