週明けになると雨が降るという周期を繰り返している栗東。20日時点では、前週に雨の影響を受けたウッドチップも徐々に乾いていたが、夜になると、かなり激しい雨が降り、再び水分をたっぷり含む馬場に変身した。
21日の調教開始時刻には、一旦、雨も上がったが、調教時間後半には、再び小雨が降り出す天気。22日も日が差す時間はわずかしかなく、ウッドチップが乾くような時間はなかった。
【坂路/4F51.9秒】
21日。一番時計は
サングラス(栗東・
谷潔厩舎)の4F50.3秒。
サングラス自身にとっては、自己ベストよりも0.1秒遅い時計なので、この数字は出る可能性がある数字。冒頭でウッドチップが水分を含んでいるということを記したが、坂路馬場はウッドチップの入れ替え作業が行われており(先週終了)、多少の雨は新品のウッドチップが対応してくれたと考えられる。
もう1頭、
アドマイヤサガス(栗東・橋田満厩舎)が、4F50.7秒という時計をマークしている点からも、馬場が極端に重たくなったとは考えにくい。もちろん、好時計が集中しているのは、朝一番の開門直後と、2回のハロー(整地)明け直後なので、そのあたりの多少の考慮は必要だろう。
先週の馬場差は「+0.1秒」。ここまで説明したように、雨によるウッドチップへの影響はあるものの、通常時ほどは大きくないと判断できるので、馬場差は21日、22日とも『+0.4秒』で観測している。
【CW/5F66.5秒】
雨の影響を受けても、風でウッドチップが乾くのが、当コースだが、今回は少し乾きが遅い。まもなく、ウッドチップの入れ替え工事が行われるが、やはりチップ自体の傷みが、雨の影響を大きく受けているのかも知れない。
21日。調教時間中に雨が降ることもあったので、騎乗者が前半をゆったり入り、終いを伸ばすということを念頭に置いていたのだろう。全体時計は遅めの追い切りが目立った。前半をセーブすると、ラストはしっかりと伸びていたので、極端に時計の掛かる馬場ということはない。
22日。別のトレセンニュースでもお伝えしたように、
日本ダービー(6月1日・東京芝2400m)に向けた、1週前追い切りが多く行われたが、ここでは、
アズマシャトル(栗東・加用正厩舎)の動きを取り上げておきたい。
松山弘平騎手が跨って、単走だったが、2コーナー、7F標識地点では、すでにペースアップ。向正面に入っても、ぐんぐんと加速していき、このままだと、かなり速い時計が出るだろうと予測でしたが、3コーナー手前で一旦ペースを落とす形。時計は、7F97.8〜6F82.6〜5F68.0〜4F52.6〜3F38.4〜1F12.4秒と前走時同様に速くて、動きもしっかりしている。もともと攻め駆けするタイプだけに、判断の難しいところだが、動ける状態にあることは間違いない。
先週の馬場差は「-1.0秒」。今週はウッドチップの入れ替え工事前で雨が降ったということもあり、先週よりは時計の掛かる馬場になった。よって、21日、22日とも『-0.7秒』で観測している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週は雨が降った影響で、芝馬場を利用する追い切りも少なくなかった。5F時計は目立たないが、4Fでは速い数字をマークしている馬も多く、雨を含んだ馬場とはいえ、馬場差は21日、22日とも『+0.0秒』としている。
雨が降ると、グリップ力が増し、より速い時計が出やすいポリトラック馬場。今週はまさにその傾向が顕著に出た。しばらく同じ馬場差をつけていたが、さすがに今週はいつも以上に速い。よって馬場差は『-1.3秒』で、21日、22日とも観測している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)