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ミッキーアイル音無師「スタートが鍵」/安田記念共同会見

  • 2014年06月04日(水) 18時00分
ミッキーアイルを管理する音無秀孝調教師
――NHKマイル、鮮やかな勝利でした。
「やっと勝ったなぁ、という感じしかなかったから。それでも“鮮やか”と言われれば『そうですね』としか言えないですね。いつもトップスピードに入るのも速いから。それを抑えるという競馬もできない。ただ、NHKマイルについてはトップスタートは切れなかったね。二の脚が速いのでハナにいけました。でも、そのかわりマークがきつかった。もう、ハラハラドキドキで心臓がふたつ欲しかった。最後は根性で勝った。あの馬が根性を見せたのは初めて。前半と後半、同じラップを刻めたのがいちばん大きかったと思います」

――馬体重は8キロ増えての出走でした。
「理想をいうと、ひいらぎ賞が一番いいと思っていたので、あのときのような体にしたいなと思っていたら、ちょうどいい体重でしたね。ただ、(馬の格好的には理想どおりとはいかず)ひいらぎ賞と同じ数字にしたら太かったな、と思いました。(他に)使うレースがありませんでしたし、仕方なく2ヶ月半休んだんですけど。僕たちは必死になってやっていたんですけどね」

――安田記念へ駒を進めた経緯は?
「マイルCを使うまでは安田記念は考えていなかったです。でもマイルCを勝ったことで、もう1回使ってもいいかな、と。あと面白そう!古馬と比べて4キロも軽い。今回はマイルCのときほど人気もしないので、気楽にいこうかな、と」

――追い切りは坂路で単走でした。
「中3週ですから、併せ馬だとやりすぎてしまう。先週もやってますしね。最後だけ追っておいてと指示したらああいう時計になりました。内容をいうと、あんまりほめられたものではない。手前を替えるたびにフラフラ走っていたのが現実ですから。この馬はフラフラするのが癖になってしまいました。今日は真ん中より外目を通ってきましたが、まぁそれでもフラフラしちゃう。口向きの悪さと気の悪さが同居しているんで。そのあたりがああいうことになるんじゃないかな」

――改めて、ミッキーアイルの良さは?
「スピードがあるということ。あと、トップスタートが切れて、さらにトップスピードに入るのが速い。そこが一番の特徴。だから、わざわざ下げることもない。あとは持久力。東京は厳しい流れが多い中、前走も逃げ切ってくれた。今回も4キロ軽いアドバンテージがあって逃げるんですから、期待しています。ただの逃げ馬じゃないような気がしています。行きますけど、3、4コーナーは緩ませて、遊んで、最後また脚を伸ばすという。またあの競馬ができたらいいですね。NHKマイルCはいきましたけど、ずっとつつかれていましたから。そういう意味では凄かったと思いますね。これまでの逃げの中で一番厳しい流れだったと思いますね。僕はハラハラしていましたが、馬のほうは根性発揮してくれたと思いますね」

――NHKと安田記念を連覇した記録はありません。
「そんなの知りませんでしたけど、4キロ軽いというのとプラスアルファトップスタート切れるかどうかが鍵。前走は休み明けでテンションあげてスタートを切りました。シンザン記念アーリントンCはゲート切ったら、ほぼ1馬身出ていたから、それをまたやって欲しい。自分のペースに持ち込みたいですね」

――最後にひとこと。
「今回も注目度は高いけれどマイルCほど人気にならないから。ファンの方も気楽に見てくれていると思うから。またご声援、お願いいたします」


ミッキーアイルに騎乗予定の浜中俊騎手
――NHKマイル、お見事でした。
「よく頑張ってくれました。本当に長いあいだ、粘ってくれたなと思います。差されそうになりましたが、後続からきたらまた伸びて勝負根性みせてくれましたね」

――今回は古馬との対決になります
「強い馬は強い馬と戦っていくのが当たり前ですから。古馬の強い馬が出走しますので、どこまでやれるのかなと思います。素晴らしいメンバーがそろったと思いますし、世界のランキング1位になっている馬もいます。そういう馬たちと対決できるというのは楽しみです」

――今週の追い切りについて教えてください。
「最初の1ハロンはできれば14秒におさえて入って欲しい。かつ、最後はしっかり追って欲しいという指示でした。もともと調教ではいい動きですが、フラフラと右へ左へ走っていました。前回のNHKマイルCより動きはよかったので、状態は確実にあがったな、という手ごたえは感じました。もともとは細くなりやすい馬なので余裕のある体つきに見えたのかもしれませんが、しっかり調教はやっていましたのでいい状態だったと思います」

――今回の状態は?
「この馬は間隔をあけつつレースを走っていましたので、一度競馬を使う上積みは大きい。いい状態で期待をもってレースができると思います」

――前走はプレッシャーの中での勝利でした。今回の気持ちは?
「立場的にはチャレンジャー。今後強い馬と戦っていく上で現状この馬がどれだけやれるのか、という期待を持っています。NHKマイルのときよりはワクワクしているという気持ちです」

――斤量については?
「4キロというのは大きいと思います。そこを有利にレースできればな、と思います。NHKマイルCを勝って3歳のうちに安田記念を使わないとこういうチャンスはないですからね。こういうチャレンジはとても大きいものだと思います。いい結果が出れば嬉しいです」

――東京の今の馬場はいかがでしょうか?
「毎週騎乗させてもらっていますが、いい馬場状態です。ずっといいコンディションで競馬が行われているな、と思います」

――マイルの逃げ切りが続いていますが?
「もちろん展開とかいろいろありますけれども、いい馬場状態で走れたというのも当然あると思います。引き続き馬場状態はいいと思いますので、先行するミッキーアイルにとってはいい条件だと思います」

――デビューからずっと騎乗していますね。
「デビューからコンビを組ませてもらった馬でGIを勝たせてもらったのはミッキーアイルが初めて。騎手として嬉しいです。これからも大きな目標に向かって一緒に競馬を戦っていけるというのはモチベーションとして競馬できますので、本当にありがたいです。この馬はいい意味で道中、遊びがあります。ああいう接戦になっても最後のひと踏ん張りがきいたり、速い上がりのレースでも勝ったりとレースの中でバリエーションをつけやすい。前走は着差が着差だけに一番しんどい競馬になったと思いますが、そういうことを経験して強くなってくれると思います」

――道悪はどうでしょう?
「調教で馬場の状態が悪いのと競馬の道悪は違いますからね。こればかりはやってみないとわからないと思います」

――安田記念について考えていることは?
「特にいろいろ考えることはないと思います。スタートからのダッシュ力が武器なので、まずそれを生かせること。そして、リズムを大事にしていきたいですね」

――最後にひとこと
「3歳のGIを勝てて強い馬と戦っていくことをファンの皆さんは応援して欲しい。見ごたえのあるレースにしたいと自分も思っています。声援よろしくお願いします」(取材・写真:花岡貴子)

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