岩田のアクションに応え、無冠の大器が栗東CWで躍動した。直線半ば、
トップギアに入った
ウインバリアシオンが、先導した2頭の未勝利馬を一瞬のうちにのみ込む。単走状態になってもスピードは衰えない。右ムチ一発で気合が入ると、一完歩ごとに差を広げてフィニッシュを決めた。
全体時計は6F81秒3-37秒8-12秒5。鞍上が「トモがしっかり入って、フォームが大きくなっている。反応も良かった」とうなずくと、松永昌師も「先週より、動きが良くなっているね」と満足げに笑みを浮かべた。
陣営の思いはひとつ-「GIを獲らせたい」。これまで挑戦すること7回。4度の2着を含め、一度も掲示板を外していない一方で、先頭で駆け抜けたこともない。「距離も合うし、体調もいい。勝つことだけが目標」と岩田は言い切る。
ファン投票2位での出走に「今回は手応えを感じているから、何とかしたい」とトレーナーも力が入る。
ハーツクライ産駒がGIを3連勝中。血の勢いという後押しも受け、ついに主役として脚光を浴びる時が来た。
ヴィクトリアマイル連覇で息を吹き返した
ヴィルシーナは、栗東坂路でラスト2F標識過ぎから僚馬と併せ、4F54秒8-39秒7-12秒5を刻み先着を決めた。「身のこなしがしなやか。ためが利いて、しまいもしっかり伸びてくれたし、自信が持てる内容でした」と福永は好感触を伝える。「スタミナもあるのでこの距離でも」と強豪牡馬との対戦にも手応えをつかんでいる。