8月9日の土曜日は台風の影響を受けて、暴風雨となった栗東。翌10日も断続的に雨が降り続き、天候が回復したのは11日。ただ、快晴というわけではなく、水分をたっぷりと含んだウッドチップ馬場はなかなか乾いてこない。
11日は坂路馬場の調教を見ていたが、少し非力な馬には走りにくい状態。12日は多少回復した状態だったが、水分過多の馬場を得意とする馬は別として、標準的な走りをする馬には、少し走りにくい状態であったことは間違いない。
ちなみに12日は調教時間中に一気に空が暗くなって豪雨。数分のことだったが、運動場に水たまりができるくらいの雨量。調教時間、後半の時間帯は多少時計の掛かる馬場だったと判断してもよいだろう。
【坂路/4F51.9秒】
13日。一番時計は
フレージャパン(栗東・
森秀行厩舎)が、4F50.4秒をマークしているが、ちょうど1週前の8月6日に4F49.9秒をマークしている。単純に0.5秒は4F時計が遅くなっているという見方もできるだけに、冒頭に記したように、時計が掛かっている状態と判断してよいだろう。
ただし、4F51秒を切ってきたのは、
フレージャパンを含めて4頭。この頭数は多めだが、顔ぶれはみな、自己ベストの速い馬。4F51秒台の頭数が少ないことを考えると、やはり時計の掛かる馬場という判断が妥当だろう。
14日。冒頭でも触れたように、調教時間中に豪雨となる時間帯があったが、ちょうどの時間に追い切った
サウンドリアーナ(栗東・佐藤正雄厩舎)。単走だったが、4F52.8〜3F38.6〜2F24.9〜1F12.2秒と全体の時計がある程度速いにも関わらず、後半2Fもしっかりした時計。この中間は追い切り時計を出していない時期もあるが、この動きを見るかぎりは順調な様子。
先週の「±0.0秒」。前記したように、
フレージャパンを参考にすれば、馬場差の計算が簡単になるので、13日は『+0.3秒』で記録。14日に関しては、調教時間中の豪雨のこともあるので『+0.6秒』で記録している。
【CW/5F66.5秒】
13日の朝一番は、雨の影響でかなり時計が掛かると予測していたが、思ったよりは時計が出る状態だった。とはいえ、5Fで62秒台、63秒台は皆無。64秒台の頭数もさほど多くなかったので、先週よりは時計を要している。14日に関しても同じ。
動きが目立っていたのは、古馬500万下を相手に手応え優勢の動きを見せた、3歳未勝利の
ビオラフォーエバー(栗東・松永昌博厩舎)。陣営は「追い切りは動くタイプ」と控えめなコメントだが、追い切りの動きが目立っていた前走が2着。調教の動きがレース結果に直結するタイプではないだろうか。
他では、2歳新馬
メイショウマサカゼ(栗東・
本田優厩舎)。同厩
タガノレイヨネとの併せ馬だったが、直線では格上の相手が一杯。時計も6F82.4〜1F12.4秒と全体も優秀、終いもしっかりした数字で、新馬としては水準以上の時計をマークしている。
先週の馬場差は「-0.3秒」。前記したように、基準時計よりは少し時計の掛かる馬場状態。よって馬場差は、13日、14日とも先週と同じ『+0.1秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は角居勝彦厩舎が多用。
関屋記念に出走を予定している
エキストラエンドは芝馬場で3頭併せを行っている。ただ、終い重点の追い切りで5Fで速い時計は出していない。馬場状態に関しては、水分を含んで、適度にクッションが利いた感じ。よって、馬場差は13日、14日とも『+0.0秒』で記録している。
雨が降ると、ポリトラック馬場を利用する頭数が増えるものだが、今週に関しては、通常時とほぼ変わりない。14日の追い切りでは、ポリトラックが塊となって、蹴り上げられるシーンも見られていたので、馬場状態は徐々に傷んできているのかも知れない。ただ、時計の出方は特に変わっておらず、馬場差は、13日、14日とも『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)