最近は晴れる日が少ないくらいで、曇り時々集中豪雨といった感じ。先週23日、24日も前が見えなくなるくらいの雨が降ったので、ウッドチップには水分がたっぷりと浸み込んでいる。26日に坂路の逍遥馬道を歩いた時もかなり重さを感じた。
27日は雨は降らなかったものの、28日は朝から雨。ただ雨具を着用していなくても、雨をしのぐことができる量。とにかく曇り空が多いので、気温が上がらない点は馬にとっても都合がよいかも知れない。
【坂路/4F51.9秒】
27日。一番時計は
レモンティー(栗東・
中尾秀正厩舎)の4F50.5秒。3歳未勝利なので、すごい時計と思うかも知れないが、自己ベストは4F49.9秒(2014年5月22日)を持っている馬。その数字から、今回の追い切り時計を見れば、時計の掛かる馬場という推測はできる。また、4F51秒台は3頭しかおらず、時計の出ない馬場であることは間違いない。
そんな馬場でも、4F53.4〜3F37.9〜2F24.4〜1F12.1秒とゴールが近付くにつれて、加速するラップを踏めたのが、
オリービン(栗東・橋口弘次郎厩舎)。登録のあった
関屋記念に出走しなかったのは、アク
シデントではなく、
朱鷺Sに目標を切り替えたため。レースまで時間があったものの、うまく調整が進められて、最終追い切りの動きに繋がった印象がある。
28日。調教中に雨は降っていたものの、馬場自体は前日と変わりなし。この日、
セントウルS(9月14日・阪神芝1200m)に向けた、2週前追い切りを行ったのが
エーシントップ(栗東・
西園正都厩舎)。今週は気合を乗せる意味で、
エーシンマックスとの併せ馬を行い、
武幸四郎騎手(レースでも騎乗)が跨っての追い切りだった。
追走して、早々に並びかけると、最後は少し前に出て先着。時計は4F52.9〜3F38.0〜2F24.8〜1F12.6秒と極端に速くはないが、余力ある状態でこの数字なら悪くない。これで気持ちが乗ってくれば、来週はもっと速い時計が出そう。
先週の馬場差が「+0.4秒」。今週は雨の影響を多分に受けており、時計の掛かる馬場になった。全体的な時計の出方を見て、今週の馬場差は『+0.6秒』で、27日、28日とも記録している。
【CW/5F66.5秒】
同じウッドチップ馬場の坂路は時計が掛かっているが、Cコースに関しては、さほど影響がない。同じ雨量で馬場差が違う点については「路盤」「水はけ」が影響しているのではないだろうか。特に27日の1回目のハロー(整地)が終わってからは、速い時計が出ていた印象がある。
28日に単走で追い切られたのが、
アドマイヤラクティ(栗東・
梅田智之厩舎)。先週、栗東へ帰厩したばかりだが、道中はスピードに乗って、6F81.4〜5F65.9〜4F51.5〜3F37.7〜1F12.8秒と速い数字をマーク。天皇賞春13着と惨敗しているが、うまくリフレッシュして態勢を立て直した印象がある。
先週の馬場差は「+0.1秒」。文中に速い時計という表現をしているが、それはあくまで馬場が重いことを想定しての話。通常よりは時計の掛かる馬場であることは間違いなく、27日、28日とも先週より少し時計の掛かる『+0.2秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は2歳馬の追い切りが中心。新馬
コスモアルゴルの追い切りを見ると、芝の塊が飛んでいたので、馬場は雨の影響でかなり緩くなっていたと思われる。よって、馬場差は27日、28日とも『+1.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場は5F61秒台もいて、いつも通り、基準時計より速い馬場。よって馬場差は、27日、28日とも『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)