12年ぶりの新潟競馬場でのGIは、13番人気の
スノードラゴンが差し切るという、大波乱の結果となった。直線半ばで横一線の叩き合いを演じている馬たちを尻目に、大外から真っ白な馬体が光のように突き抜けた。(取材:赤見千尋)
◆1着
スノードラゴン・
大野拓弥騎手「初めてGIを勝たせていただき、素直に嬉しいです。今日はこの馬にしてはスタートも良く出てくれましたし、大外で不安もありましたけど、いいところに潜り込んで、流れに乗れました。普段はなかなか手前を替えないんですけど、今日はしっかり替えてくれました。そこが最後の伸びに繋がったと思います。
今回は新潟で久しぶりのGIで、すごく盛り上がっている中で勝つことが出来て、ウイニングランでも大きな歓声をもらって、とても光栄に思います」
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高木登調教師
「興奮しました!本当に頑張ってくれましたね。この馬は馬場が悪いのも苦にしないですし、当初は内に潜り込んでというレースを想定していたんですけど、まさか18番枠になるとは…。抽選を引いた時、すぐに大野くんに電話したら、「マジっすか?!」って言ってましたね(笑)。
今日は前半で逃げ残りもあったし、どうかなと思ってましたけど、スタートしていい所を通って、しめしめと思いながら見ていました。外から本当によく伸びて来てくれましたね。
もともと脚元がモヤモヤしている馬で、ダート路線で使っていたんです。春先は除外除外で、どこを使おう?って感じだったんですけど、中山が時計掛かっていたので芝に挑戦してみたら、そこからトントン拍子でここまで来てくれました。
これまではもうワンパンチ足りなかったというか、どうしても隣の馬に併せてしまうようなところがあったんです。蛯名騎手に助言してもらって、後ろからタメた方がいいんじゃないかということで、脚質転換したんです。蛯名騎手に育ててもらいました。
高松宮記念は2着だったし、重賞でも悔しい思いをして来ましたが、ようやく勝つことが出来て、本当に嬉しいです。まだまだ活躍してくれる馬だと思っています。この後は馬の様子を見て、オーナーサイドと相談して香港に登録する予定です」
◆2番人気の支持を受けた
ストレイトガールは、道中馬群で我慢して、直線では前を割って進出。明らかに勝ちパターンに見えた競馬だった。
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岩田康誠騎手「状態もよかったですし、よく頑張ってくれましたね。コーナー手前では馬場に脚を取られていましたが、4コーナー過ぎから手応えよかったですし、間を割って伸びてくれました。よっしゃ!と思ったんですけど…」
◆3着
レッドオーヴァル・
田辺裕信騎手「スタートもよく、思っていた以上にいい位置で競馬が出来ました。直線よく伸びてくれましたね。最後は勝ちに行った分。立派だったと思います」
◆4着
グランプリボス・
三浦皇成騎手「リズムよく走れて、思い描いたレースは出来ました。この馬は力があるし、他の馬が苦にする分、坂があるコースの方がいいかもしれません。1200メートルが合うかどうかはわからないですけど、距離が延びたらさらに良さそうですね」
◆5着
ベルカント・
武豊騎手「取りたいコースは通れたし、思い通りのレースは出来ました。ただ、左回りはあまり上手じゃないですね…。出来れば、中山で走らせてあげたかったです」
◆6着
アフォード・
蛯名正義騎手
「追い出しがワンテンポ遅れる形になってしまいましたが、それを考えるとよく伸びてくれたと思います。馬は本当に頑張ってくれましたね」
◆7着
セイコーライコウ・
柴田善臣騎手「あの形の競馬になって、後ろから差されたんだから仕方ないですね」
◆8着
マヤノリュウジン・
池添謙一騎手「今日はついて行く競馬をしようと思って、最初出して行ってあの位置でした。ちょっとね、前の馬がフラフラしているところに入ってしまって、4コーナーも外外を回るロスがあって…。それでもいい脚で伸びて来てくれました」
◆9着
マジンプロスパー・
小牧太騎手「やっぱり外枠の方がいいですね。最後も止まっていないし、一瞬来るかと思うような脚でした。やっぱり枠ですね」
◆10着
サンカルロ・
吉田豊騎手「ゲートで少し待たされた分、ポコっと出ていました。外枠でいい感じで行けて、最後も伸びてるんですけどね」
◆12着
コパノリチャード・
浜中俊騎手「スタートがすべて。躓いてしまったので…。それがすべてです」
◆13着
ハクサンムーン・
戸崎圭太騎手「落ち着きがあったし、スタートも上手に出てくれました。結果的には行かせた方がよかったのかもしれません。馬場はいい方がよさそうです。たくさんの方々に支持していただいたのに、結果を出せず申し訳ないです」