豪快に突き抜けた。12年ぶりの越後路決戦となった「第48回
スプリンターズS・GI」(芝1200m)は5日、新潟11Rに18頭で争われ、13番人気の伏兵
スノードラゴン(美浦・高木)が1分8秒8のタイムで初めての重賞タイトルをGIで獲得した。2着は2番人気の
ストレイトガールで、3着は5番人気
レッドオーヴァルだった。なお、好スタートから好位につけた1番人気
ハクサンムーンは13着に沈んだ。
大混戦のゴール前、
スノードラゴンの白い馬体が馬群の大外を躍動した。これまでよりも好スタートを決めて、楽な手応えで中団の外めを追走。大野は「いい感じで(レースが)流れてくれて、道中は馬の後ろにつけられました」と理想の展開に馬上でほくそ笑む。あとは自慢の末脚を信じて追いまくるだけ。激しい2着争いを横目に半馬身抜け出したところがゴールだった。
10回目の挑戦で
ビッグタイトルをつかんだ大野が「GIを勝つことにあこがれて、この世界に入った。素直にうれしいです」と満面の笑みを浮かべれば、同じくGI初制覇となった高木師も「興奮しています」と喜びを爆発させる。芝では7戦して未勝利。脚元の弱さを考慮してダート戦で地道に力をつける日々が続いた。転機は今春、ダートの高額条件で賞金的に出走できないことが続き、師が芝への転戦を決断したことだった。約3年ぶりの芝だった
オーシャンSで0秒2差2着に奮闘。初めて挑んだGIの
高松宮記念でも2着に食い込んだ。
父アドマイヤコジーンは12年前の
スプリンターズSで2着。父の無念を晴らした“孝行息子”は、次の目標に
香港スプリント(12月14日・シャティン、芝1200m)を掲げる。遅咲きのス
プリンターが今度は世界制覇に乗り出す。
提供:デイリースポーツ