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11年ぶりの現役復帰、宮下康一騎手が園田競馬場で再デビュー

  • 2014年10月08日(水) 18時55分
“40歳の新人”宮下康一騎手が10月8日、園田競馬場で再デビュー戦を迎えた。

 宮下騎手は1991年10月、17歳の時に名古屋競馬からデビュー。妹で女性騎手最多勝記録を持つ宮下瞳元騎手とともに戦ってきた。その後、新潟・上山・金沢で騎乗技術を磨くも、2003年7月に騎手を引退。

 引退後も厩舎スタッフとして地方競馬に関わり続けたが、「自らの担当馬に自分で乗って結果を出したい!」と、不完全燃焼のまま一度は閉ざした騎手への思いが蘇ってきた。

 再デビューにたどり着いた時には、金沢で鞭を置いてから約11年の時が過ぎていた。日数にして4059日。地方競馬史上最長ブランクである。(2番目に長いのは吉本隆記・浦和で2621日)

 約11年ぶりのレースとなった園田3Rは5着。「先行が得意」という宮下騎手に先行馬が回ってきた。出鞭を4発。狙った2番手はとれなかったが4番手からレースを運び、直線では高々と鞭を振るい5着に粘った。

「ブランクが心配でしたが、思ったより自分の息は上がりませんでした。園田競馬場で乗るのはミスターレビンオーで遠征した1998年全日本アラブ優駿以来2回目です。馬場が変わったこともあるでしょうが、昔より乗りやすく感じました。やれそうな気がします!」と、レース後には本馬場入場時よりもハツラツとした笑顔で話した。

 宮下騎手はこの日、全7鞍のうち5鞍で掲示板を確保する安定した騎乗を見せた。

 深夜12時半の馬場開場から朝9時前まで調教に跨る宮下騎手を「熱心ですよ」とある調教師は評価する。園田競馬場でのデビュー日には12R中7頭の騎乗馬が用意され、兵庫競馬の関係者から歓迎された。新人騎手紹介セレモニーには、ほぼ同期で地方競馬出身のJRA岡田祥嗣騎手がお祝いに駆け付けた。名古屋競馬場の食堂のおばちゃんからはお祝いのお花が届き、妹の宮下瞳元騎手は「来月は応援に行きたい」と話しているという。

 長いブランクを乗り越え再スタートを切った40歳の新人が、騎手大国・兵庫にどんな新風を巻き起こすのか、今後に注目である。

(取材・写真:大恵陽子)

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