10月12日(日)に東京競馬場で行われる
毎日王冠(GII・芝1800m)に出走する美浦所属各馬について、関係者に話を聞いた。
スピルバーグ(牡5)、
ロサギガンティア(牡3)、
ペルーサ(牡7)について、3頭を管理する
藤沢和雄調教師。
スピルバーグ「前走のメイS(4歳以上OP・芝1800m・1着)では、初めてオープン戦を走りましたが、強い内容で勝ってくれました。続けて
エプソムCに出走させたかったのですが、骨瘤が出たために放牧に出して休養させました。帰厩後も順調に調教を重ねていますし、前走と同じくらい調整ができています。これまで弱さがあり順調にレースを使えませんでしたが、だいぶ逞しく成長しましたので、今後は順調に使っていけると思います。元々調教で動くタイプではありませんし、追い切りもこの馬なりに動いていました。最初の頃は後方からの競馬一辺倒でしたが、最近は中団からレースができるようになっています。今回もそのようなレースができればと思います。エンジンがかかってから素晴らしい動きをしますし、東京コースも上手に走れますので、重賞でも期待しています」
ロサギガンティア「前走の
NHKマイルC(GI・芝1600m)はスタートが良くなかったですし、この馬には流れも向かなかったですね。それを考えると4着という着順は、頑張ったのではないかと思います。レース後は少し疲れがありましたので、山元トレセンに放牧に出て、1か月ほど前に帰厩しました。疲れも取れていましたし、体も成長して大きくなっていました。その分、体を少し持て余したような動きをしていましたが、段々動きも良くなってきました。スピードがあり、終いの脚がしっかりしているのが長所です。3歳馬ですから斤量が少し軽いのも良いですね。古馬に胸を借りるつもりで頑張ってほしいです」
ペルーサ「前走の
エプソムC(GIII・芝1800m・15着)は、着順はともかく良化の兆しが窺える内容でした。ひと息入りましたが、順調に来ていますし、今日(10/9)の本馬場での追い切りの動きも良かったですね」
ロゴタイプ(牡4・美浦・
田中剛厩舎)について、田中調教師。
「今日(10/9)は良い行きっぷりで、6ハロンで80秒くらい出ていましたし、動きもピリッとして良かったと思います。三浦騎手も先週より良かったと言っていました。あとは追い切りの疲れを取ってあげて、レースに臨みたいと思います」
三浦騎手
「先週併せているので、今日は単走でやりました。先週は抜け出してからソラを使っていたので、チークピーシーズを着けましたが、まじめ過ぎるくらいで効果はあったと思います。今日は角馬場からピリッとしていましたので、競馬ではチークはなくても大丈夫のように思います。ス
トライドも先週よりも伸びていました。今日のイメージのまま、競馬に臨みたいですね」
ディサイファ(牡5・美浦・小島太厩舎)について、小島太調教師。
「前走の
エプソムC(GIII・芝1800・1着)後は放牧に出ました。放牧先の北海道でも乗り込んできましたし、良い状態で美浦に戻ってきました。今日(10/9)の最終追い切りは、今の坂路では時計がかかり過ぎるのでウッドチップコースでやりました。動く
ダービーフィズと併せたこともあり、少しモタついたようにも見えましたが、このひと追いで良くなってくると思います。東京の1800mは、条件的にこの馬には一番合っていると思います」
ウインマーレライ(牡3・美浦・
高木登厩舎)について、高木調教師。
「前走の
ラジオNIKKEI賞(GIII・芝1800m・1着)は非常に状態が良く、流れも向きそうでしたので楽しみにしていました。早い段階から能力があるのは感じていたのですが、なかなか結果に結び付かなかったので、前走で結果を出せて良かったです。前走後は北海道に放牧に出て、逞しくなって戻ってきました。首も太くなってボリュームが出てきましたね。今のところ18キロほど体は増えています。精神的にもレースを重ねるごとにコントロールがきくようになってきています。
1週前追い切りは、十分に負荷をかけて良い追い切りができました。今週(10/8)はあまりやりたくなかったので、軽めの内容でした。先週はコントロールが難しそうな感じがありましたが、今週は折り合っていました。東京は速い決着になると思いますが、切れる脚も持っていますので、大丈夫だと思います。古馬との対戦は何とも言えませんが、素質はある馬ですし、成長もしていますから頑張ってほしいですね」
ダークシャドウ(牡7・美浦・
堀宣行厩舎)について、橋本篤典調教助手。
「前走の
函館記念(GIII・芝2000m・2着)後はそのまま函館に在厩して、温泉でリフレッシュしました。美浦に戻ってきてからは順調に時計を出していて、良い仕上がりだと思います。今日(10/9)はいつも通り、半マイルからサラッとやりましたが、動きも良かったです。ここ2走が別定、ハンデと重い斤量を背負わされましたが、今回は56キロなのもプラス材料です。東京コースも向いていますし、1800mもベストなので期待しています」
ダイワファルコン(牡7・美浦・
上原博之厩舎)について、上原調教師。
「夏場は例年通り北海道に放牧に出して、ゆっくりさせました。戻ってきてからも順調ですし、これまでと同じように1週前にしっかりと追い切って、レースの当該週はサラッとやりました。7歳馬なので大きな上積みはないですけど、若い頃とあまり変わりませんし、状態も悪くないですね。右回りに良績が集中していますが、左回りでも好走していますので、全くダメというわけではないと思います。今回は休み明けですし、次に繋がるレースをしてほしいですね」(取材・写真:佐々木祥恵)