先月16日に現役引退を発表した佐藤哲三騎手(44)=栗東・フリー=の引退式が12日、京都競馬場の最終レース終了後に行われた。
惜しみない拍手と“哲ちゃんコール”に包まれた。集まった大勢のファンを前に“勝負師”は時折、涙をぬぐいながら「こんなにもたくさんの方に残っていただいて、ありがたいと思います。これからはファンの皆さんと一緒に競馬を盛り上げたい」と声を絞り出した。
今後は競馬評論家としての活動のみならず、ノースヒルズマネジメントと
コンサルタント契約をする予定だ。同代表の前田幸治氏は「月に1、2回来てもらって若手を教えてもらう」と話した。
管理馬の
タップダンスシチーや
アーネストリーなどでコンビを組んだ佐々木師は「“騎手・佐藤哲三”らしく、生きていってください」とエールを送った。
JRA通算1万570戦938勝(
JRA・GI6勝を含む重賞45勝)。西日に照らされた佐藤哲は「来週からは皆さんと一緒に馬券を買おうと思っています。26年間、本当にありがとうございました」とセレモニーを締めくくった。多くのファンに愛された個性派ジョッキーが、静かにステッキを置く。
引退式には後藤も駆けつけた。昨年の
南部杯を
エスポワールシチーで制したときには、主戦を務めていた佐藤哲と同じ
ガッツポーズでエールを送った。「哲三さんの力を借りて勝ったGI。これから先も、そのときの思いを持ち続けていたい」と口にする。自身は4月27日の東京競馬で落馬負傷。現在は復帰を目指して準備を進めており「“先に引退するけど、お前は頑張れと”言われて心強かった」と感謝していた。
提供:デイリースポーツ