最後の一冠は、
ショウナンパンドラが掴み獲った。第19回
秋華賞は、
オークス馬
ヌーヴォレコルトが圧倒的な人気に支持され、王道の競馬で直線伸びて来たが、内々をロスなく回った
ショウナンパンドラがクビ差で女王となった。
この日の
ショウナンパンドラは440キロ+-0。パドックでは、一歩一歩が大きく力強い踏み込みで、馬体重以上に体を大きく見せていた(取材:赤見千尋)。
◆1着
ショウナンパンドラ・
浜中俊騎手「嬉しいです! 今も興奮気味ですね。GIを勝つのは目標の1つなので、本当に良かったです。
春以来の騎乗でしたが、1週前に追い切りに乗せてもらって、
パワーアップした印象でした。やはり牝馬なので、メンタル面ですね。繊細だったのが、いい感じに落ち着いて来てくれました。返し馬からいい状態で、自信を持ってレースに臨むことが出来ました。
今回はスタンド前発走で、ちょっと心配していたんですけど、馬がよく辛抱してくれましたね。馬場状態がいいので、とにかく出遅れないように、スタートを意識していました。上手にスタートを出てくれたし、流れに乗れていい雰囲気で道中進むことが出来ました。コーナーは外には出さず、ロスなく内でジッとしてました。GIだと、ある程度リスクを背負わないと勝てないと思って、腹を括って勝負しました。4コーナー手前で、一番難しいかなと思っていたところがスムーズに捌けたので、あそこでイケるんじゃないかなと。勝つ時は上手くいくもんですね。
直線はもう必死でした。馬に『頑張ってくれ』と思いながら、『早くゴール板が来てくれ』と思いながら追ってました。本当に馬が頑張ってくれたことに尽きますね。スタッフさんが素晴らしい状態に仕上げてくれて、とても感謝しています。オーナーにも本当にお世話になっていたので、オーナーの馬でGIを勝てて本当に嬉しいです」
・
高野友和調教師
「初重賞制覇が初GIということでしたが、特に意識はしていませんでした。血統的にもGIを勝てるくらいの馬を預けていただいたので、結果を出したかったです。勝てて本当に嬉しいですね。自分自身も嬉しいですけど、オーナーが喜んでくれたことが嬉しかったです。
パドックではもともと見せる馬なんですけど、股関節もしっかり動いているし、全身を使っていい歩きだと思いました。相手が強いので、絶好調じゃないと勝負出来ないと思ってましたけど、これならという状態でした。
前はハイペースだったので、最高の位置取りでした。これで負けたら仕方ないという位置でしたけど、ゴールするまでヒヤヒヤしました。ゴールした直後は、『勝ったの?』って感じで確信はなかったです。
根性がある馬で、素晴らしい能力の持ち主。このまま無事にいってくれたらいいですね。この世界は、無事にいくのが奇跡みたいな世界ですから。この後はオーナーと相談して考えます」
2着は1番人気
ヌーヴォレコルト。パドックに現れた馬体はプラス10キロだったが、太いという感じはなく、さらに
パワーアップした印象。レースは中団から3、4コーナーは外を回る王道の競馬をしたが、勝ち馬の立ち回りが一枚上だった。
◆2着
ヌーヴォレコルト・
岩田康誠騎手「チャンスを物にできず残念です。前が速くなって、道中は乗りやすかったですね。最後は内と外の差でした」
・
斎藤誠調教師
「残念ですね。1番人気を裏切ってしまい、申し訳ありません。道中はハイペースで流れていたから、いい位置だなと思っていました。勝った馬はすんなり内が開きましたね。これが競馬だなと。馬は状態も良かったですし、プラス10キロも全く問題なかったです。この後は、馬の様子を見て決めます」
3着には、1勝馬
タガノエトワールが頑張った。初のGI挑戦だったが、直線を向いたところでは先頭を伺うほどの勢いがあり、見せ場十分の競馬だった。
◆3着
タガノエトワール・
小牧太騎手「悔しいです。あれだけの差だったから、余計に悔しいです。相手は内行って、僕は外行って。結果的には、もう一段後ろで構えてた方がよかったのかもしれませんね。でも絶好の位置だと思いました。これなら! って思ったんですけど…」
◆4着
ブランネージュ・
秋山真一郎騎手
「
テンションが高めでしたが、その辺りはいつも通りでした。道中はスムーズで、直線の入口で内に行こうか外に行こうか迷ったんですけど、内の馬がタレて来ることも考えて、安全策で外に出しました。結果論ですけど、そこが勝負でしたね。馬はよく頑張ってくれました」
◆5着
サングレアル・
戸崎圭太騎手「返し馬からいい感じでしたし、終いもしっかりと脚を使ってくれました。これからも楽しみです」
◆6着
レッドリヴェール・
福永祐一騎手
「スタートで少し立ち遅れてしまったんですけど、結果的には流れが速かったので、大きな影響はなかったです。
ショウナンパンドラや
ヌーヴォレコルトを見る形で、道中スムーズに進めて、これならと思いながら追ったんですけど、手応えより伸びきれなかったです。返し馬の雰囲気は前回よりもよかったんですけど」
◆13着
レーヴデトワール・
川田将雅騎手「場所はいいところを取れたと思ったんですけど、前が流れていたんでね、気のいい子なので、自分だけそこで我慢というのは…。その流れについて行く形になってしまい、最後は苦しくなってしまいました」
◆14着
ハピネスダンサー・藤岡康太騎手
「この馬の機動力を生かしたかったので、ある程度前で競馬をしたいと思っていました。今日は流れが速かったです。でも、成長は感じました」
◆16着
マーブルカテドラル・
田辺裕信騎手「勝負してみようと思って、いつもよりも位置を取りに行きました。3、4コーナーで逆手前に変わってしまったし、余力が残ってなかったです。ちょっと掛かってしまった場面もあったし、2000mをガチンコ勝負するのは、少し長いのかもしれません」