11月2日(日)に東京競馬場で行われる
天皇賞・秋(GI・3歳以上・芝2000m)に出走予定の美浦所属各馬について、関係者に取材した。
マイネルラクリマ(牡6・美浦・
上原博之厩舎)について、上原調教師。
「前走の
オールカマー(GII・芝2200m・1着)は、最高のレースでしたし、休み明けを良い形でスタートできました。前走後は天皇賞に合わせ順調に調整をしてきました。1週前の追い切りにある程度負荷をかけてビシッとやって、今週はそれほど強くない内容での追い切りと、この馬のいつものパターンです。最終追い切りでは、今週が競馬だということを教える意味で、ゴール前だけ気合いをつけました。東京コースではこれまで勝っていませんが、惜しい競馬もしていますし、2000mも守備範囲です。スタートが上手いので、好位置につけてそのまま押し切るようなしぶとさが生きる競馬になってほしいですね。馬場が渋っても大丈夫ですし、天候は気にしていません」
ディサイファ(牡5・美浦・小島太厩舎)について、小島調教師。
「前走の
毎日王冠(GII・芝1800m・4着)は久々のレースだったので、追い切り後も物足りない面を少し感じていましたが、馬自体が力をつけているせいか、そのような状態でも差のないレースをしてくれました。ここへの
ステップとしては良かったと思います。1度レースを使って、ガラリ一変しましたし、内面から迫力を出すようになりましたし、肉体面でも変わってきて、追い切りでも馬が自ら動いていました。2000mは守備範囲ですし、1800mと比べて仕掛けなくても良い位置を取れる分、レースはしやすいのではないかと思います。切れ味勝負になると分が悪いですが、我慢強い脚を使いますし、勝負強さに期待しています」
スピルバーグ(牡5・美浦・
藤沢和雄厩舎)について、藤沢調教師。
「前走の
毎日王冠(3着)はゴチャついたところから、もう1度伸びてゴール前はしっかりした脚を使っていましたね。調教は目立つ時計ではありませんが、中2週ですからこんなものでしょう」
津曲調教助手。
「前走は直線で窮屈になりましたが、ゴール前の脚は勝ち馬を上回っていますし、確実に力をつけていますね。休みながら使っている馬で、疲れもなくまだ伸びしろもありますから、中2週でも上昇度はあります。古馬になって体力がついてきましたので、使った後の反動も出なくなりました。メンバーは強いですが、良い決め手があるのでチャンスはあると思います」
ペルーサ(牡7・美浦・
藤沢和雄厩舎)について、藤沢調教師。
「順調ですし、ひと頃と比べて雰囲気も良くなっていますね。前走の
毎日王冠(9着)は馬ごみにいる間はあまり良くなかったですが、外に出してからはまずまずの脚を使ってくれたと思います。感触としては9分くらいは戻っていると思います」
津曲調教助手、
「前走は外に出してから良い脚を使っていました。
エプソムC(GIII・芝1800m・15着)の時より内容も良かったと思います。長期休養明けを2度使って、前走ではレース内容は良くなっていましたし、3歳時に
天皇賞・秋で2着になったように地力はある馬ですからね。馬体の張りも良くなって復調気配ですし、楽しみはあります」
ダークシャドウ(牡7・美浦・
堀宣行厩舎)について、橋本調教助手。
「前走の
毎日王冠(12着)は、中間楽をさせてリフレッシュして臨んだのですが、外枠だったこともあって、外を回ってしまいました。開幕週だったこともあり、外を回った馬は来ていませんし、直線で左にモタれたこともあって伸びませんでした。前走後はいくらか疲れがあったので、その疲れを取りながらの調整でした。中2週と間隔も詰まっていますし、今週(10/30)は息を整える程度にサラッとやりました。本来は1度使って良くなるのですが、今回は疲れもあったため急上昇とまではいきませんが、それなりの状態では臨めると思います。条件は向いていますので、巻き返したいですね」(取材・写真:佐々木祥恵)