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ショウナンパンドラに騎乗予定の
浜中俊騎手――GIホースになった前走について教えてください。
浜中「競馬がうまくできました。馬には成長もみられましたし、状態もよかった。いい結果が得られてよかったです」
――春とくらべてどのあたりが成長しましたか?
浜中「以前は気性的にイライラするところがありましたが、そのあたりに成長がみられて落ち着きがでてきました。その分、
リラックスした競馬ができるようになりました。もともと能力が高く期待していましたが、精神的な成長のおかげで力が発揮できるようになりました」
――今回は古馬相手の競馬となりますが
浜中「強い古馬と初めて戦うわけで、胸を借りる立場で臨みたいです」
――今年の3歳牝馬の世代レベルをどうみますか?
浜中「
ハープスター、
ヌーヴォレコルト。強い馬たちはたくさんいますし、それ以外にもレベルの高い馬がいます」
――
ショウナンパンドラはその中の1頭ですね?
浜中「はい、そうですね」
――今回、京都の外回りコースとなります。
浜中「リズムよく走ってもらいたいコースですね。長くいい脚が使える馬ですし、外回りというのは魅力的だと思います。道中はまずは折り合いを大事に。坂をのぼったり下ったりしたあと、リズムよく直線に向かいたいですね」
――先週からBコースですが?
浜中「大きな変化はないと思います。ひじょうにいいコンディションです」
――ファンの方へひとこと
浜中「前走でGI馬になって、勢いをつけて今回またGIに出走できるというのがいちばんの強みだと思います。胸を借りるつもりで、いい結果が出られるように頑張りたいです。また応援してください」
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ショウナンパンドラを管理する高野調教師「調子は“絶好”」
――GI馬を出した実感は?
高野「この世界を仕事でしていて、GIホースというのはすごいというのは実感していましたから。自分の厩舎でそういう馬を出すことができてよかったです。GIホースの価値を高めること、その後の繁殖としての価値を考えても、成績にキズをつけるわけにはいかない。そういう責任をズシッと感じています」
――GIの表彰式でも高野さんは冷静な印象を受けました。
高野「内心はすごく喜んでいるんですが、自分が勝ったというよりは結果を出すのが責任である仕事をしているので。こういうすごい血統の馬を任せていただいて、結果を出せて、ひとつの責任を果たすことができてホッとしていました」
――前走後の状態は?
高野「GIを勝つほどの走りをしてきましたから、さすがにそれまでの
パンドラ号のレース直後の状態よりは“走ってきたなぁ”というかんじでした。だから、次走(の計画は競馬を)走るかどうかも含めて、ひじょうに慎重になりました。いつもよりは乗り出しまではゆっくりしたんですけど、進めていったら馬が大丈夫だったので競馬に向けて調整を再開しました」
――今朝の追い切りは坂路2本あがりました。2本目が強めでしたね。
高野「先週、結構調教を動く馬と併せて負荷をかけました。負荷をかける作業はそこで完了したと思うので、今週は調整程度でいいと思っていました。乗り手にも時計云々というよりはリズム重視。一歩づつハミを感じながら乗るように指示しました。(時計は)僕が思っていたよりは多少速くなりましたが無理はしていないし、リズムよくいい動きをしていたと思います」
――想定より状態は上向きということでよろしいですか?
高野「現状維持でいいかな、と思っていたんですが、むしろ状態は上がっています。自信を持って競馬に臨める態勢は整いました」
――となると、
秋華賞より上のデキ?
高野「僕はそう思いました。僕は以前、松田国英先生のところで働かせていただいていたんですが、松田先生のところで管理していた凄い馬たちというのは、レースを使うごとにどんどん吸収して強くなっていきました。この馬にも同じようなことを感じますね。いい感触です」
――古馬との力関係は?
高野「古馬はいろんな修羅場を潜り抜けてここにたどりついています。いろんな経験をしているから強いと思います。その経験豊富な馬たちに向かっていければいいなと思います。斤量の恩恵もありますし、調子はおかげさまで“絶好”になったのでいい勝負できると思います」
――
秋華賞では抜群の切れ味を見せてくれました。
高野「この馬は基本的な能力が高いです。スタートだけは課題ですが、馬群の中でも我慢できるしジョッキーの意のままに動けます。与えられた条件でどこでも走りきれると思います。あとは他の馬との力関係かな、と思います」
――ここにきて本格化した印象を受けます。
高野「食に対する意欲が出ましたね。春の段階では今ほど意欲的ではなかったんですが、今はとにかく食べますんで。食べてトレーニングをしっかりするというのはスポーツ選手の基本ですから。それができるというのが理想的です」
――そのあたり具体的に教えてください。
高野「食べている量は変わらないんですが、馬からの要求がすごいんです。いままではカイバをつけても時間をかけてゆっくり食べていたんですけど、今は鳴いて待つくらい(欲している)。与えてしばらくしてみたら、ほぼなくなっている。とにかく体が餌を求めて、それを吸収できる態勢になっているんだと思います」
――いい時期を迎えていますね。
高野「順調にいくのが難しい世界ですけど、順調にいって勝つというのはもっと難しい。でも、ここまではいいかんじできています」
――ファンにひとことお願いします
高野「今日の追い切りまでは順調にこれました。あと僕らの仕事はゲートでジョッキーに渡すまでしっかり管理することですが、そこさえクリアできれば皆さまの期待に応えられる態勢にあると思います。応援よろしくお願いします」
(取材・文:花岡貴子)