単勝16,970円の配当に、場内がどよめきと歓声に包まれた。
11月26日、
園田競馬場で行われた
兵庫ジュニアグランプリ(JpnII、2歳、ダート1400m)は、7番人気の
ジャジャウマナラシ(牡2、浦和・
小久保智厩舎)が2009年
ラブミーチャン以来の地方馬勝利を収めた。
「ここを狙っての遠征でした」と小久保師。「直線に向いて手応えがラクでした」と
地方競馬全国リーディングの田中騎手も話す。「この馬は、右回りの方が得意なんですよ。次走は、
全日本2歳優駿(川崎・1600m)には向かわず、
JRA・地方両方を視野に考えたいです。
父アサクサデンエンなので芝もいいかもしれませんね」と同師はここからの更なる
ステップアップを語った。
地方馬が栄光を掴んだ影で、地元・兵庫の
トーコーヴィーナスは4コーナーでの不利もあり7着に終わった。「ペースも速かった」と吉行龍穂調教師は、今日は言葉少なめに引き揚げた。
一方
JRA勢で最先着となったのは、これが初ダートの
トーセンラーク(3着)。「ダート適性は十分に示してくれました。このまま栗東に入り、今後はオーナーと協議の上、阪神のGIを目指すか、美浦に戻すかを考えていきます」と菅原泰夫調教師。
前走、
エーデルワイス賞(JpnIII)を勝った
ウィッシュハピネスは4着。沖芳夫調教師は「今日は早めにつつかれたのと、距離かな。短いところを使いたいけど、番組がないので今後は芝も視野に入れながら考えます」
一方、1番人気の
キャプテンシップは6着に敗れた。11月6日の
北海道2歳優駿をソエで回避した経緯もあったが、岩田騎手は新馬戦直後から同馬に期待を寄せ続けていて、「今後が本当に楽しみな馬」と改めて口にした。デビューから2連勝の実績。さらに成長を続け、今後もダートでの活躍が期待される。
今日の一戦を経て、2歳馬たちの目標が少しずつ見えてきた。戦いは、これからである。
(取材・写真:大恵陽子)