史上最強メンバーと謳われた第34回
ジャパンカップは、
エピファネイアが衝撃の強さを見せつけた。
パドックに現れた
エピファネイアは、前走
天皇賞・秋からプラス2キロ。相変わらず
テンションが高めだったが、休み明けだった前走よりは穏やかに見えた。
レースでは抜群の手応えで好位の内を追走。道中は馬の後ろに入れて折り合い、直線では爆発的な末脚を発揮。2着
ジャスタウェイに4馬身の差をつけて圧勝した。(取材:赤見千尋)
◆1着
エピファネイア・クリストフ・スミヨン騎手
「レースが終わった今でも興奮しています! この週末にこれだけの想いをさせていただいて、僕は世界一ラッキーなジョッキーです。本当に強い馬に乗せていただき、とても感謝しています。
今日は、パドックで見ている時も入れ込んでいましたし、乗ってからも興奮気味で、馬場入りの時には落ちるかと思う場面もありました。
スタートをポンと出て、なんとか2〜3番手で我慢して、コーナーごとに抑えようとしたんですが、実はままならなかったんです。普通は、あれだけ行きたがったら2400メートルはもたないですから、直線に入る時に少し抑えて息を入れようと思ったんですが、ここがスタートくらいの勢いがあったので、じゃあ行こう! と思いました。まるでフレッシュな馬のようにドンと行ってくれて、その強さに驚きました」
・角居勝彦調教師
「
菊花賞のあとからなかなか結果がだせず、ファンの皆さんをお待たせしてしまいましたが、たくさんのファンの方の前で強い姿を見せられて、ほっとしています。
秋はレースに向けて気持ちを高めていく調教をしてきました。東京競馬場に来てからも落ち着いていましたし、パドックでは周回を重ねるごとにエキサイトしていましたが、暴れることはなかったので、大丈夫だと思っていました。
スミヨン騎手には、『引っ掛かります』とお伝えしました(苦笑)。レースではギリギリのところで抑えてくれて、脚が溜まった分、直線で飛び出せましたね。
お母さんの
シーザリオも素晴らしい馬でしたが、この馬は
パワータイプで、タイプが違うんです。今は
パワーが有り余ってるくらいなので、ちょっと困ってます(笑)。
この後は馬の様子を見て、
有馬記念に向かう予定です」
◆2着は世界一のレーティングを持つ
ジャスタウェイ。直線よく伸びたが、早めスパートの
エピファネイアには並ぶことが出来なかった。
・
福永祐一騎手
「レース自体は良かったと思います。返し馬の感じも良かったし、直線まで理想的なレースが出来ました。ただ、1頭強いのがいましたね…。ラスト100メートルくらいで脚が鈍ってしまいましたが、距離かどうかはわからないです」
◆3着
スピルバーグ・
北村宏司騎手「コンディションもよかったですし、やる気を出してくれましたね。スタートは出たけど、外枠もあってあの位置どりになりました。馬場が掘れてるところもあって、追走に苦労しましたが、内からよく伸びてくれました。この秋は本当に頑張ってくれてますね」
◆4着
ジェンティルドンナ・ライアン・ムーア騎手
「昨日の雨で馬場が緩くて、グリップが利かず、地面をつかみきれなかった感じでした。今日は切れ味勝負ではなく、スタミナ勝負になってしまいました。仕上がりはよかっただけに、とても残念です」
◆5着
ハープスター・
川田将雅騎手「3〜4コーナーの中間で故障した馬が下がった時に、目の前で避けきれず、接触して躓いてしまいました。それでここまで来てくれたので、本当にすごい馬です。何より、無事であって欲しいです」
◆7着
ワンアンドオンリー・橋口弘次郎調教師
「今日はいい感じで折り合っていたし、直線を向いて外に出した時には、一瞬夢を見ました。まだ3歳ですし、古馬の一線級が相手ですから。この後は馬の様子を見て、
有馬記念に行くか決めます」
◆8着
フェノーメノ・
岩田康誠騎手「前に行くか、じっとするか、どちらかと思っていたんですが、後ろからのレースになりました。スタートも決まったし、結果論ですが、主張して行けば前に行けたのかもしれません。終いの脚はよかっただけに、残念です。久しぶりに乗せてもらいましたが、
パワーアップしている印象です」
◆9着
イスラボニータ・
蛯名正義騎手
「レースは上手く運べたと思ったんですけどね。追い出しもギリギリまで我慢して、負けることないくらいの手応えで来たけど、追い出してからが…。まだ3歳だし、よく頑張ってくれてます」