大雨が降るというわけではないのだが、晴天が続かず、なかなかウッドチップが乾く状況にならない栗東。今週も9日の午後から降雨があり、10日の追い切りに影響を与えた。11日は調教開始時刻には雨。量は少ないものの、馬場にじわりと影響を与えそうな降り方をしていた。この調子だと、来週も時計を要する馬場ということになりそう。
気温は12月らしく、寒い日が続き、そろそろ冬毛が気になる馬も出てきた。また、太りやすい体質の馬には、なかなか絞れない時期となっているので、馬体重の増加には気を配りたいところ。
【坂路/4F51.9秒】
10日。一番時計は
カツカモ(栗東・
森秀行厩舎)と
キングズウェザー(栗東・
藤沢則雄厩舎)の4F50.9秒。4F51秒台が9頭なので、先週に似た時計の出方をしている。
キングスウェザーはこの時計を3走前にマークしているが、当時は時計の出やすい馬場状態だったので、今回の数字の方が価値が高い。
ラスト1Fの最速は12.0秒だったが、12.0秒から12.2秒をマークした6頭のうち、5頭は開門直後の馬場。開門から30分以上経った、踏み荒らされた馬場で12.1秒をマークしたのが、
アルマオンディーナ(栗東・西浦勝一厩舎)。ジョッキー騎乗で乗り手の面では時計が出る状況だったが、馬場を考慮すれば、破格の数字。新馬勝ちして、中1週でのGI挑戦(抽選対象)は常識的に厳しいと思うが、追い切りからは魅力たっぷり。
先週の馬場差は「+0.5秒」。全体的な時計の出方は先週と大きく変わっていない。よって、10日、11日とも『+0.5秒』の馬場差で記録している。
【CW/5F66.5秒】
坂路に比べると、時計が出ているCコース。ただ、非力な馬や2歳にとっては、テンから飛ばすと終いは止まり気味なので、力が必要な馬場状態であることは間違いない。
そんな中、6F78.4秒と破格の時計をマークしたのが、
朝日杯FS(12月21日・阪神芝1600m)の出走を予定している
セカンドテーブル(栗東・崎山博樹厩舎)。
キングヴァラールを追走する内容だったが、5F標識から4F標識の区間を12.8秒と飛ばすラップ。一気に加速したことで、直線は失速すると思ったが、流す感じで1F13.3秒。追っていれば、12秒台は出ていただろう脚色だった。デビュー前から追い切りの動きが目立つ1頭だったが、スピード感は更に進化している。
前日のトレセンニュースで紹介した
ゴールドシップ(栗東・
須貝尚介厩舎)など、現在、調子が良い馬はそれがダイレクトに追い切りの動きへ表れている。今週の
オリオンSの出走を予定しているヴォルシェーヴ(栗東・
友道康夫厩舎)なども、持ったままの手応えで、ラスト1F11.8秒をマークする絶品の動きだった。
先週の馬場差は「-0.4秒」。今週は雨が降ったものの、全体的な時計の出方を見ると、Cコースにはさほど影響を与えていない。よって、今週は10日、11日とも『-0.7秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
最近は雨の影響を受けた芝馬場で追い切った頭数が多かったので、少し傷みが目立っている。そんなこともあってか、追い切り頭数はほとんどない。頭数も少ないので、馬場差は10日、11日とも『±0.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場はいつも通りの追い切り頭数。動きが目立ったのは、ラスト1F11.0秒の
ディライトフル(栗東・
大久保龍志厩舎)や
サウンドバーニング(栗東・
安達昭夫厩舎)といったあたり。先週の馬場差は「-1.5秒」だったが、今週はそこまで速い馬場でないので、10日、11日とも『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)