出走馬唯一の
ディープインパクト産駒が父譲りの切れ味を見せつけた。「第66回阪神JF・GI」(芝1600m)は14日、阪神11Rに18頭で争われ、5番人気の
ショウナンアデラ(美浦・二ノ宮)がゴール前で強襲。直線で先に抜け出した2番人気
レッツゴードンキ(2着)を並ぶ間もなくかわし、半馬身差をつけてゴール。2歳女王に輝いた。勝ちタイムは1分34秒4。さらに半馬身差の3着には4番人気の
ココロノアイが入った。なお、1番人気のロカは出遅れが響いて8着に敗れた。
ゲートが開いた瞬間に2馬身の出遅れ。それでもベテラン・蛯名に焦りは見られなかった。「スタートが良くなかったので(プランを)切り替えた」。道中は後方からレースを進め、4角でも12番手と厳しい位置取り。それでも直線で馬群を縫うように進出し、ラスト1Fで外へ出すと一気にはじけた。「一度、こんな競馬をしてみたかった。直線では2着馬が通った進路を進み、最後は上手に外へ出せたからね。うまくいった」と、これまで3戦の先行策とは違う形での会心の勝利にしてやったりの表情だ。
体質面が弱く、平地コースでの強い追い切りができない状態。今回も美浦坂路での調整で挑んだ。二ノ宮師は「関節が固まっていないし、膝の下の化骨が遅れている。手加減しながらの調教でも勝つのだからすごい」と感嘆の声を上げる。「きょうは初めて馬群の中での競馬。どうなるかと思ったが、自分の馬だけどビックリだよ」と驚きの表情を見せた。
「
桜花賞と同じ舞台で勝てたし、これで自信を持って行ける」と蛯名が来春へ目を向ければ、トレーナーも「来年はさらに上を目指せるように、これから練習を積んでいきたい」とうなずく。数々の名牝が制した一戦で頂点に立った、伸びしろたっぷりのディープ産駒。来春はさらに大きく成長した姿で、再び仁川に戻ってくる。
提供:デイリースポーツ