先週の話になるが、1月2日と3日が大雪の影響を受けた栗東トレセン。その後は雪が降っても積もることはなく、今週に入ってからは通常通りの状態となっている。あまりに寒い時期が続いた影響なのか、雪で水分を含んでいるはずのウッドチップが極端に重いという状況ではない。
むしろ、時間帯によっては、速い時計が出ることもあり、これはウッドチップが凍っていて、踏みしめやすいという状況が影響していると思われる。実際、8日の調教開始前の坂路馬場では、うっすら白く見える場所が数か所あった。
【坂路/4F51.9秒】
7日。全休明けということもあって、追い切り頭数は少なかったが、一番時計は
サチノクイーン(栗東・服部利之厩舎)の4F51.3秒。また、ラスト1Fの最速が
ミリオンヴォルツ(栗東・
高野友和厩舎)の1F12.2秒だったので、決して時計を要する馬場という印象はない。
8日。今週のレースに出走予定の追い切りはこの日に集中したが、その中で一番時計は
エーシングリズリー(栗東・川村禎彦厩舎)の4F50.8秒。また、ラスト1Fの最速は
プロスパー(栗東・白井寿昭厩舎)の1F11.8秒。この時計の出方を見るかぎり、雪や雨の影響を受けて、時計を要する馬場になっているとは判断しにくい。ただ、全体的な時計の出方を見ると、標準時計よりは遅いことは間違いない。
この日、追い切りで目立った動きを見せたのが、
クイーンズターフ(栗東・
須貝尚介厩舎)。新馬勝ちしたばかりのキャリアの浅い3歳牝馬だが、
レッドメアラスを追走して、大きく先着した動きは立派。4F53.6秒は極端に速い数字ではないが、ラスト2Fを12.6秒、12.6秒でまとめてきた。
シンザン記念への出走を予定しているが、キャリアの浅い牝馬だと侮ることはできないだろう。
先週の馬場差は「+0.6秒」。本文にも記したように、雪の影響があったからといって、極端に時計を要しているわけではない。よって、7日、8日とも『+0.2秒』の馬場差で記録している。
【CW/5F66.5秒】
こちらも8日に追い切りが集中。乗り手が雪の影響を考慮しているのか、前半からラップを速めていく馬は少なく、終い重点の追い切りが目立った。多少、前半を飛ばしていっても、ラストも止まらない馬場なので、ある程度は時計の出る馬場。
今週は新馬の動きが目立っていた。朝一番に追い切った中では、
レッドディザーブ(栗東・
西園正都厩舎)。新馬3頭併せで再先着したことはもちろん、後ろから追いかけていた
エイシンアロンジーに追い抜かれなかったのは収穫。6F83.4秒、1F11.8秒と終いの伸びも優秀だった。
2回目のハロー(整地)明けの時間帯に追い切ったのは
スギノグラース(栗東・
中尾秀正厩舎)。こちらも新馬との併せ馬だったが、騎乗した
秋山真一郎騎手が追い出すとしっかり伸びて先着。6F80.8秒、1F13.0秒は道中のラップが速かったわりには最後まで踏ん張った印象を受ける。
先週の馬場差は「-0.5秒」。坂路馬場が先週に比べて、馬場差が回復したように、Cコースも同様の判断をしたい。よって、今週は7日、8日とも『-1.0秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
芝馬場は追い切りというよりも、芝の感触を確かめる感じで馬場入りしている馬が数頭いた。馬場差は、7日、8日とも『±0.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場の追い切り頭数はごく標準。
シンザン記念に出走予定の
サトノフラム(栗東・安田隆行厩舎)が、
ストームジャガーを追走する併せ馬を行ったが、その動きは地味。6F80.8秒という時計を考えても、もっと動けるはずで、前走から急激に良くなったという印象はない。なお、先週の馬場差は「-1.0秒」だったが、今週も7日、8日とも『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)