多くの競馬ファンが、指折り数えて待っていたに違いない。昨年5月4日の
天皇賞・春から287日ぶりの実戦へ。いよいよ、第80代ダービー馬
キズナがターフに復帰する。「天皇賞で骨折(左第3手根骨)してから長かったけど、やっとここまで来た」。佐々木師は感慨深げに厩舎の看板ホースを見つめる。
5歳を迎えて、馬体はさらに
パワーアップを遂げた。栗東での骨片手術を経て大山ヒルズ(鳥取県)で静養後、早い段階から乗り込むため昨年の12月12日に帰厩。課せられた調教メニューを日々、精力的にこなしている。1週前追い切りでは、栗東坂路で4F52秒2-12秒7(一杯)。ここまでしっかりと負荷をかけられており、力を出せる態勢にある。「中途半端な仕上げではかえって馬が壊れてしまうので、きっちりとやっている。幼いころからほれぼれするような体つきだったが、今は重厚感も備わってきたね」と指揮官は目尻を下げた。
先々には国内GI戦、一昨年4着のリベンジが懸かる
凱旋門賞が控えているとあって、主戦・
武豊も力が入る。「(2週前追い切りでは)久々という感じはなかった。使っていた時と同じだね。今年一緒に頑張っていきたい気持ちがあるし、初戦からいいレースをしたいと思う」。国内外の目標を見据え、大きく弾みをつけたいところだ。
提供:デイリースポーツ