小雪が舞う日はあっても、まとまった雨は降っていない今週の栗東。先週に降った雨の影響もなく、見た目には馬場状態は良好に見える。また、調教開始時刻は0度前後の気温がほとんどなので、朝一番のウッドチップ馬場は凍っていて、走りやすい状態ということもある。
【坂路/4F51.9秒】
12日。一番時計は
ローレルベローチェ(栗東・飯田雄三厩舎)の4F50.1秒。4F50秒台は他にも1頭おり、3F目に11秒台のラップを踏んだ馬が5頭いたことを考えても、先週に引き続いて、時計の出る、ごく標準的な馬場と判断したいところ。
4F54.1秒とデビュー戦の最終追い切りよりも4F時計が遅くなったものの、見た目の動きは抜群だった
リアルスティール(栗東・
矢作芳人厩舎)。道中は馬の後ろで我慢する走りだったが、進路を右に寄せてからは目標を馬なりで交わして、余力十分にゴール。それでいて、ラスト1F12.2秒なのだから、瞬発力の性能は計り知れない。1週前追い切りではCWで抜群の動きを見せており、キャリア1戦での
共同通信杯挑戦となるが、決して侮ることはできない。
今週も先週同様、平均的な時計の出方をしている馬場。よって、11日、12日ともに『±0.0秒』で記録している。
【CW/5F66.5秒】
乗り手の話を聞いていると、馬場が悪いという声をたくさん聞いたが、実際に11日の追い切り時計を見渡してみると、昨日のトレセンニュースで紹介した
キズナ(栗東・
佐々木晶三厩舎)を筆頭に、速い5F時計をマークしている馬が多い。
12日の朝一番で追い切りを行ったのが、京都芝1800mの新馬戦を勝った
キロハナ(栗東・
池江泰寿厩舎)。
川田将雅騎手が跨り、
サトノラーゼンを追走する内容だったが、直線で楽に並びかけると、ゴールではあっさりと先着。追い出してからの反応もよく、時計は6F82.9〜5F67.1〜4F52.7〜3F38.7〜1F12.3秒で、ゴールに向けての加速力が素晴らしい。先週、
トーセンレーヴ、
ダノンカモンといった重賞ウイナーを相手に行った併せ馬が大きな経験になっているような気がする。次走予定の
つばき賞(2月21日・京都芝1800m)での走りに注目したい。
そして、12日の2回目のハロー明けの時間帯に
フェブラリーS(2月22日・東京ダート1600m)の1週前追い切りを行った
ワンダーアキュート(栗東・佐藤正雄厩舎)。新馬
サウンドフォースに先行する形で道中を進めて、直線は相手が内から並びかけてくる形。楽に相手を突き放すと思われたが、相手の食い下がりは想像以上。時計が6F80.9〜5F66.0〜4F51.7〜3F38.5〜1F13.1秒と全体は速いものの、終いが伸び切れなかった分だけ、先着できなかったのだろう。それにしても、
サウンドフォースの走りは見どころ十分。こちらのデビュー戦は楽しみ。
なお、先週の馬場差は「-1.1秒」。全体的な時計の出方を見ると、先週以上に速い時計が出ているので、11日、12日ともに『-1.2秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週は芝馬場での追い切りを確認できていない。一応、馬場差は見た目の印象から、11日、12日ともに『±0.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場は通常時と変化なく、やれば速い時計の出る馬場。テンから飛ばしていった
ウチデノコヅチ(栗東・
羽月友彦厩舎)は、終い1F13.9秒と止まってしまったが、5F60.6秒は群を抜いた一番時計。平坦馬場の短距離なら、十分に勝ち負けできるスピードを持っている。なお馬場差は、今週も先週と同じ『-1.0秒』で、11日、12日とも記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)