最近は雨が降っていない栗東だったが、今週は16日が日差しの強いポカポカ陽気だったくらいで、あとは不安定な天気。特に18日、19日は調教時間中に日が差したかと思えば、小雨が降るという変則的な天気。19日の調教後半の時間帯は雨に雪が混じっており、どんよりとした雲が立ち込めていた。
ただ、馬場状態に関しては雨の影響を受けているとはいえない。坂路にせよ、Cコースにせよ、それなりに時計が出ているので、時計が遅い馬がその言い訳として「馬場が悪くて」といった類のコメントを出しているようなら、疑ってかかるべき。
【坂路/4F51.9秒】
18日。一番時計は
カレンブラックヒル(栗東・
平田修厩舎)の4F50.3秒。時計の出る馬ではあるが、それを考慮しても速い数字。他にも4F50秒台が2頭おり、4F51秒台は多数。時計が出やすくなった理由についてははっきりしないものの、全体的な時計の出方を見ると、事実として、時計の出る馬場だと判断した方がよい。
19日。前日と変わらず、時計は出やすい馬場だったが、この日、
チューリップ賞(3月7日・阪神芝1600m)の2週前追い切りを行ったのが
ブチコ(栗東・
音無秀孝厩舎)。単走だったこともあり、終始
リラックスした感じの走り。時計は4F54.9〜3F40.5〜2F27.0〜1F13.8秒とラスト1Fが減速する形だったが、流すような形だったので、気にすることはないだろう。来週、再来週とレースで騎乗予定の
武豊騎手が跨るということなので、そこでの動きに注目してみたい。
今週は先週以上に標準より速い時計をマークしている馬が多数。よって、18日、19日ともに先週よりも速い『-0.2秒』で記録している。
【CW/5F66.5秒】
18日の馬場開門直後は少し時計を要する印象もあったが、まもなくすると、速い時計も目立ち始め、1回目のハロー(整地)が明けた時間帯には、いつも通りの馬場という印象。19日はそれ以上に時計が出やすい印象を受けたが、馬場状態に関しては、どちらかといえば、19日の方が含水量が多いはずなので、馬場差としては両日で差をつけていない。
19日の追い切りで目立ったところは、3歳未勝利の休み明けながら、藤岡康太騎手が跨って、6F79.7秒をマークした
アドマイヤロケット(栗東・
友道康夫厩舎)。朝一番では、前走
逆瀬川Sで単勝1.5倍の人気を裏切った
サトノアラジン(栗東・
池江泰寿厩舎)が、6F83.6秒で終いの伸びは秀逸。いつも追い切りでの動きが目立つ馬ではあるが、やはり見逃すことはできない走りを見せた。
なお、先週の馬場差は「-1.2秒」。全体的な時計の出方を見ると、先週と同じく速い時計が出ているので、18日、19日ともに『-1.2秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週は新馬を中心に芝馬場での追い切りが行われた。見た目にスピードに乗った馬が少ないように思えたが、このあたりは馬自身のスピード能力だと思われる。馬場自体は決して悪くない。よって、18日、19日ともに『±0.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場は通常通り。1000万下を勝って、
河原町Sに登録している
ゴーインググレート(栗東・岩元市三厩舎)は、前走同様、馬なりで抜群のスピード乗りを見せており、勝った勢いを感じさせる動き。なお馬場差は、今週も先週と同じ『-1.0秒』で、18日、19日とも記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)