まさに男勝りの勝負根性だ。「第89回
中山記念・GII」(芝1800m)は1日、中山11Rに11頭で争われ、3番人気を集めた昨年の
オークス馬
ヌーヴォレコルト(美浦・
斎藤誠)が牡馬を撃破。平成3年の
ユキノサンライズ以来、24年ぶりとなる牝馬による
中山記念Vを決めた。勝ちタイムは1分50秒3。首差の2着に2番人気の
ロゴタイプ。さらに1馬身半差の3着には4番人気の
ステファノスが入った。なお、1番人気の
イスラボニータは道悪に脚を取られ、5着に敗れた。
ロケットスタートから道中は好位3番手。直線ではいったん先頭に立った
ロゴタイプの内へ進路を取ると、急坂を上がってから一気に襲いかかる。2頭による激しい叩き合い。雨にぬかるんだ馬場も苦にせず、最後にグイッとひと伸びして首差かわした。「外に進路がなかったから、イチかバチかで最内を狙った」と岩田が、辛勝劇に胸をなで下ろした。
「いつも立ち回りがうまい馬なので、雨の中山コースでも気にならなかった。昨年よりさらに
パワーアップしている」と岩田が相棒の健闘をたたえれば、
斎藤誠師も「休み明けでよく頑張ってくれたね。勝ちっぷりは見事だったし、最後も狭いところに入って行けるところがすごい。牡馬とも互角以上に戦えることが分かったのは収穫だね」と満面に笑みをつくった。
今後はいったん短期放牧に出され、
ヴィクトリアマイル(5月17日・東京、芝1600m)から
宝塚記念(6月28日・阪神、芝2200m)を目指す。昨秋は
秋華賞、
エリザベス女王杯とともに2着に惜敗。笑顔の指揮官は「今年のテーマは“負けてはいけない”。見ていてください」と力強く宣言した。
提供:デイリースポーツ