皐月賞トライアル第1弾「第52回
弥生賞・GII」(芝2000m)は8日、中山11Rに11頭で争われ、
福永祐一騎手騎乗の2番人気
サトノクラウン(美浦・堀)が直線で力強く抜け出し、後続に1馬身半差をつける完勝劇を披露。中団追走から自慢の末脚を発揮して、
皐月賞制覇に王手をかけた。勝ちタイムは2分1秒8。2着も後方から追い込んだ4番人気の
ブライトエンブレム、さらに2馬身半差の3着には10番人気
タガノエスプレッソが入り、この上位3頭が
皐月賞(4月19日・中山、芝2000m)への優先出走権を獲得した。なお、勝ち馬と同じく2戦2勝で挑んだ
シャイニングレイは、2番手から進めるも直線で失速。1番人気を裏切り7着に敗れた。
無傷の3連勝に福永は「頭数も少なくていいポジションを取れたが、強かったです。非常に完成度が高いし、操縦性にも優れている」と内容を絶賛した。
里見治オーナーは「どうしても欲しかった馬」だと言う。13年のセレクトセールで金子真人氏らと競った末に購入。これまで所有馬のクラシックは13年の
サトノノブレスの
菊花賞2着が最高だが「クラシックがちょっと見えて来たかなという感じ」と胸が躍る。
うれしくも悩ましいのは福永か。2戦目で
共同通信杯を制した
リアルスティールがいる。同馬は
スプリングS(22日・中山、芝1800m)に出走予定。「きょうの時点では(
皐月賞でどちらに乗るか)言えない」と言葉を濁した。複雑な事情があるから当然。堀師も「私の口からは言えません」と明言を避けた。
ひとつ確かなのは、
サトノクラウンが着実な進化を遂げていることだ。非
サンデーサイレンス系から、久しぶりの大物誕生といえるだろう。
提供:デイリースポーツ